カイロプラクティックで一番効果のある頭痛

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カイロプラクティックで一番効果のある頭痛

今日は、カイロプラクティックが一番効果のある頭痛についてのお話です。

 

頭痛の中には、首の関節の機能障害に起因する頭痛がありますが、この頭痛がカイロプラクティックのマニピュレーション(カイロプラクティックの手技)で大きく改善することは、頚椎治療に携わる多くのドクター達に広く認識されています。

ではこの首の関節の機能障害(動きの悪さ)に起因する頭痛「頚椎原性頭痛」とはどのようなものを言うのでしょう。
この「頚椎原性頭痛」、案外みなさんはご存じないかもしれませんが、思った以上に多くの方の頭痛の背景に隠れているといっても過言ではありません。

 

 

後頭下部や頸部の痛みがある
頭部(前頭部、後頭部、頭頂部、目の奥など)に痛みがある
痛みは片側でも両側でもおこる
うずく、鈍くえぐられるような痛みと頻度は少ないがズキズキする痛み
男性より女性に多い
悪心、吐き気や頭のふらつきを伴う場合がある
かすみ目やその他の眼症状、めまい感を引き起こす時がある
頭痛薬では軽快しない
特定の首の動きで悪化する
年齢に無関係で、子供から老人までいつでも発症する

 

ここに述べたのは、「頚椎原性頭痛」特徴ですが、これだとかなりの人が該当するのではないでしょうか?

首にはたくさんの神経が集まっていますが、この神経と上部頚椎の痛覚受容器との関わりにより、この「頚椎原性頭痛」が引き起こされると考えられています。

みなさん三叉神経という神経はご存じですか?
三叉神経痛で有名ですが、三叉神経は、頭部や顔面に分布しています。
解剖学的に、頚神経1番(C1)〜頚神経3番(C3)の頚神経には、この三叉神経の核と混ざり合う細根があります。
これが上部頚椎の問題が頭痛に関係しているという理由なのです。

 

 

少し難しくなりますが、詳しく説明していきましょう。

三叉神経の脊髄路核(大脳皮質から脊髄にかけての神経伝導路)は口部、極間部、尾部の3つからなります。尾部は、尾側に延びていき、脊髄(背骨の中を通る神経)の灰白質(神経細胞体の存在している部分)と序々に一緒になります。そして三叉神経は延髄(脳〜脊髄の間)を通った後、上部頚髄の節にまで下行していきます。
それは少なくともC2レベルまで達し、部分的にはC4レベルにまで達すると言われています。

このように三叉神経の終わりの部分は、上部頚神経と交わっており、特にC1とC2レベルの頚神経と重複しているのです。
そして三叉神経と上部3頚髄神経節が交わる部分は、両方の求心性の繊維を受けており、「三叉神経頚髄核」とも呼ばれている主要な神経核になっています。
この「三叉神経頚髄核」ですが、三叉神経と脊髄において、侵害受容性の情報に関与している大事な部分で、それぞれの求心性繊維を受けていることから、頭部全体と首の上部の侵害受容の中心部分と言うことができるでしょう。

 

三叉神経の感じる部分と上部頚神経の感じる部分が一緒になっているのはおわかり頂けたでしょうか。
これらのことから上部3頚神経が神経支配している組織は、頭部に広がる関連痛の原因となることが言えるわけです。

 

 

上部3頚神経の感覚の範囲は・・・

上部3つの頚椎関節と靭帯
首前後の筋肉(胸鎖乳突筋と僧帽筋)
硬膜(脳と脊髄をおおう膜)
椎骨動脈(脳へ血液供給している血管)

 です。

ということはこれらの組織の問題は、三叉神経につながり頭痛の原因となるわけです。

 

関連痛とは、中枢神経系の中のニューロンが、身体の一部分からの求心性繊維(中枢に向かう神経線維)以外にも、別の身体部位からの求心性繊維も受けており、別の部位からの痛みを勘違いして、もう一つの部位の痛みとして感じてしまうことにあります。

頭痛や頚部痛の場合、「三叉神経頚髄核」がこの中心のニューロンになるので、三叉神経頚髄核の後頭部を支配している部分が、頚椎からの求心性繊維も受けている場合、頚椎からの侵害刺激が後頭部から発していると感じさせる痛みになってしまいます。
また三叉神経の求心性繊維を受けている部分が、頚椎からの求心性繊維も受けていれば、前頭部の痛みは頚椎の侵害刺激により引き起こされることがあります。

 

これがまさに「頚椎原性頭痛」首の関節に起因する頭痛のメカニズムであり、カイロプラクティックで最も効果のある頭痛、そしてカイロプラクティックでなければ治せない頭痛とも言えるでしょう。

 

 

これらことについては、さまざまな生理学的な研究で明らかになっています。

Kerrは、ネコの脳幹と上部頚髄のいろいろな部位からの記録により、三叉神経と上部頚神経の両方の刺激に反応する部位を特定し、C1の細根への電気刺激が、眼窩、前頭部、頭頂に痛みを生じることを証明しました。
Cyriaxは、4%の食塩水を患者の頚部の種々の筋肉に注射し、局所痛と関連痛の観察をしたところ、後頚部の筋(後頭骨付着部)への刺激は、前頭部の痛みを発生させ、同じ筋の25㎜〜50㎜下への刺激は、頭頂の痛みを引き起こしたと報告しています。そして胸鎖乳突筋(首前面の筋肉)への刺激は側頭部に関連痛をもたらしました。
さらにCampbellとParsonsは、同じように食塩水を使い、頚部への刺激がそれぞれ頭頂〜後頭部、後頭下までの関連痛を生じさせることを証明しました。

その他、Feinsteinらは、後頭部とC1の間の軟部組織への刺激により前頭部に関連痛を生じさせ、上部頚椎の棘突起(後ろに伸びる突起)の間への刺激で後頭部痛を生じさせました。Dwyerらの実験ではC2-C3の椎間関節を膨張させることにより後頭部痛を生じさせることが示されています。

これらの実験により、上部頚神経に神経支配を受けている部分の病変は、頭部に関連痛を生じさせる可能性があることがわかりました。

 

最近では、この「三叉神経脊髄路核」の関与以外にも、脳を覆う硬膜が「筋髄膜橋」を通じて上部頚椎につながっており、上部頚椎が変位すると硬膜に捻れが生じて頭痛が起きるという説もあります。またこれらの頚椎原性頭痛は、C1に問題がなければ頚椎原性頭痛は起こらない、頚椎の関節に3つ以上の問題があることが条件になるなど、様々な説がありますが・・・
これまでのお話だけでも、首の関節が頭痛の原因になるのは明らかだと思います。

 

 

私の臨床経験の中でも、「頚椎原性頭痛」はかなりの数みられ、片頭痛や緊張性頭痛とこの「頚椎原性頭痛」が合併しているケースも多くあります。
また大抵の頭痛の場合に、上部頚椎や頭蓋骨の問題が関わっていることが多いのです。

先に載せた「頚椎原性頭痛」の特徴。
あてはまる人も多いのではないでしょうか。

Lewitによると、頚椎の機能障害の場合、その大半は後頭骨とC1の間に起きるといい、Jiroutは、頭痛の90%がC2-C3機能障害を伴っていることを発見し、Bogdukは、上部頚椎ハイポモビリティ(以前のblog参照)が「筋収縮型」と呼ばれている頭痛の主要な原因であると報告しています。
またJullは、慢性頭痛における頚椎機能障害の併発は、頭痛を訴える96の症例中55%で、無症状の集団よりも上部頚椎関節硬直の発症率が高いと報告しており、それはC1〜C3の上部頚椎に集中しており、C4以下の関節では、発症率が急激に落ちたといいます。

 

私自身、慢性頭痛の背部に、これら頚椎の問題が隠れている場合がほとんどなのでは?と感じています。
思い当たる人は是非一度カイロプラクティックの門を叩いてみてくださいね^^。

 

  

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