変形性膝関節症とは!?

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変形性膝関節症とは?

世間では、膝の痛みは一般的に、「痛風」や「膝の軟骨がすり減って痛い」という認識が浸透しています。
テレビのCMなどでよく見かける「膝の軟骨成分コンドロイチン硫酸配合、膝の痛みを治す」などのキャッチフレーズ。しかし膝の痛みの原因は、実に様々で、軟骨の成分を身体に取り入れて治るものばかりではありません。
カイロプラティカの患者さんでも、50歳以降の女性の方に多くみられるのが膝の痛みです。

今月のテーマは「変形性膝関節症」。
老化によってなぜ膝の痛みが起こるのか、軟骨がすり減るというのはどういうことなのか、カイロプラティカ視線で解説していきましょう。

 

CMや雑誌などでもよくみかける変形性膝関節症。
一体どんなものでしょう?
実は簡単にいうと、これがいわゆる膝関節の老化現象です。膝の軟骨の形が歪(いびつ)になったり、膝の間の隙間が狭くなったりすることで、軟骨がぶつかりあって痛みが起こると言われています。
冒頭に話した「膝の軟骨がすり減って痛い」というやつですね。

 

この「変形性膝関節症」、高齢者の膝の問題の中では最も一般的な疾患です。
統計的には、中年以後の年齢層で、症状の有無にかかわらず25~40%の人がこの変形性膝関節症だと言われています。
そして前述したように、変形性膝関節症は、関節軟骨の変性(老化による変形)と摩耗が主体で、外傷や感染などの既往歴がないものが90%を占めます。

 

 

変形性膝関節症の痛みと原因

膝の関節の老化によって起こる「変形性膝関節症」。
どんな症状があるのでしょう?

 

歩行時に痛い
正座している時に痛い、痛みで正座ができない
階段の上り下りで痛い、とくに降りるときに痛い
長距離歩いた日の夜は痛みが強い
膝をしっかり伸ばすことができない
また完全に曲げることもつらい
膝に水がたまる

 

おおまかには、こんな症状がみられると思います。
ただ膝の痛みのときは、大抵の場合、上記のような階段の上り下りや、膝の完全な曲げ伸ばし時の痛み、夜間痛や関節水腫などは診られる症状なので、これだけでは変形性膝関節症かどうかはわかりません。

 

ちなみに「膝に水がたまる」というのは、変形性膝関節症の方でも多いのですが、これは膝の変形の度合いとはあまり関係がなく、関節の間の滑膜の炎症によるものが多いです。

「変形性膝関節症」の特徴的な症状の一つとしては、膝の内側の痛みがあります。
これは病状が進行していくと、関節の内側部の隙間が狭くなる現象が多くみられるからです。内側部の圧痛は、初期でも60%、中期では80%にみられるといいます。また立っている時や、歩いている時には、身体の重心が足の軸よりも常に内側にあるため、内側部がより大きな荷重を受ける傾向にあり、圧痛も内側に多くなると考えられています。
この内側の痛みは膝を外に捻る、もしくは内側に捻る動作でより痛くなる場合が多いと思います。

「中年以降」にあらわれた膝の痛みで、上記のような症状があり、膝の内側に痛みがある場合は、変形性膝関節症の可能性が高いと言えます。

 

 

O脚や肥満との関わり

変形性膝関節症の原因は、老化と話しましたが、それ以外の原因を強いてあげるなら…

 

肥満・過体重
膝にかかる負担の増加
O脚などの変形
筋肉の衰え
使い過ぎ症候群
膝に過度に負担をかけるような日常動作

 

この中でもとくに、肥満などの体重増加、またO脚などが大きな原因となり得ます。

 

体重はあまり言いたくはないのですが、膝の問題への関わりは大きいと思います。
膝が痛くなる前に、体重が増えたりしてはいないですか?
膝には、普通に歩いても体重の5倍、階段を降りる時は体重の7倍の重さがかかります。ということは、体重が1kg増えるだけで、片方の膝にその5倍の5kgの負担が増えるのです。
そう考えると、膝が痛い人は1kgでも減らしただけでも、大分変わるということなのですね!
膝が痛くてつらい思いをしている人は、自分の膝をいたわる気持ちで、自分の体重を1kgだけ減らしてみてはいかがでしょう^^。

 

そしてO脚。日本人は気にする方が多いですね。

私の治療院にもO脚のために来院される方がいます。
通常カイロプラクティックでは、関節に対して、健康上問題のある場合にのみ治療を行いますが、まったく問題のない場合もあります。その場合は、もちろん治療は行いません。
これはO脚でも同じです。たとえO脚だとしても、膝や股関節に健康上全く問題がなければ治療は行いません。見た目だけを治すような治療はカイロプラクティックの趣旨とは違いますし、かえって健康上、問題が起こる場合もあります。勘違いしている方が多いですが、美容目的のカイロプラクティックはしっかりとしたカイロプラクティックでないことが多いのです。

さてこのO脚。関節に問題がなくても、たしかに膝の内側には負担がかかります。
そこで予防法を少し紹介しましょう。O脚は足の筋肉がしっかりしているとなりにくいので、膝を伸ばし、姿勢を正しく保った状態の歩行を心がけてみてください。膝の内側や外側の筋肉がしっかりしてくると自然ときれいな足のラインになってくるものです。

またそれが、変形性膝関節症の予防にもなります。

 

では、今日はこのくらいにして次回をお楽しみに〜。

 

 

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