日光に当たることが骨を作る|カイロプラティカ麻布十番

骨の作られ方のお話

前回、インフルエンザとの関わりでビタミンDの話が出てきたと思います。せっかくなので、ここで
ビタミンDを話す上で大切な骨の作られ方についてお話していきたいと思います。

 

骨も、皮膚と同様に生まれる前に形成され、その後、新陳代謝で更新されつづけます。
これは、骨が成長して、成人の骨の形と大きさに達した後でも、古い骨は破壊され続け、その場所に
新しい骨組織が形成されるということですね^^。

この古い骨組織を新しい骨組織で取り替え続けることを、骨のリモデリング remodeling といいます!

 

正常人では骨吸収と骨形成が平衡状態にあるため、骨量は一定に維持されていますが、このバランスが
破錠したりすると、骨量が減少して、骨粗鬆症などが起こります。また骨には、骨芽細胞と破骨細胞
という細胞が存在します。骨芽細胞はミネラルとコラーゲンを沈着させて骨を形成しますが、逆に破骨
細胞はミネラルとコラーゲンを吸収して骨組織を壊す働きをしています。
この二つの働きには微妙なバランスが保たれているのです。
あまりにたくさんのミネラルが骨に沈着すると余分な骨組織が骨に大きなこぶや鋭い突起をつくり、
関節の動きを悪くすることがあります。また逆に骨からカルシウムが過剰に失われたり、新しい骨組織が
十分につくられなかったりすると骨が弱くなり、曲がったり、骨折しやすくなります。
このように、この二つの細胞の働きは骨のリモデリングには非常に重要なのですね。

 

日光に当たることが骨を作る!?

では骨はどのように作られていくのでしょう。
まず、骨を作るのに必要なのは、みなさんご存知のカルシウムでしょう。
ですが、カルシウムだけでは骨は作られません。
実はそこには様々な栄養素やホルモンが関わってくるのです。

 

例えば、お魚の小骨を食べたとしましょう。
お魚の小骨はもちろんそのままでは吸収されません。
胃酸に溶けてカルシウム Ca に分解されます。その後、小腸の壁から吸収されるのですが、そのままでは
なかなか吸収ができないのです。

そこにビタミンDが必要になります。

ビタミンDは肝臓と腎臓で活性化され、活性化ビタミンD(ビタミンD3)というビタミンになり、
このビタミンD3が消化管からのカルシウム吸収を促進してくれます。
ビタミンD3は腸管の内皮細胞でカルシウム結合たんぱく質を産生し、カルシウムの吸収を増加します。
血中のカルシウム濃度が増えると、甲状腺から甲状腺ホルモン(カルシトニン)が分泌され、骨芽細胞
の働きにより、新しい骨が形成されます。
この時、カルシウムは、リンと結合したリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムやマグネシウムと結合
したリン酸マグネシウム様物質としてコラーゲンとともに骨に沈着します。また骨のたんぱく質と直接結
合するカルシウムもあります。

 

このように骨の形成にはカルシウムの他に、十分なミネラル(リンやマグネシウム)、ビタミン(A、C、D)、数種のホルモン(骨形成を刺激するヒト成長ホルモンや膵臓から分泌されるインスリン、甲状腺ホルモン)などが関わってくるのです。

 

 

その中でもカルシウムの吸収を助ける重要なビタミンD。
みなさんビタミンD摂れていますか?

実は食品以外にも、紫外線に当たることによって皮膚でコレステロールの合成過程から作られるビタミン
D3があり、どちらかというと体内ではこのビタミンD3の働きがカルシウムの吸収に役立っています。
カルシウムを効率よく利用して丈夫な骨を作るには、食品からのビタミンDの摂取と同時に戸外でのスポ
ーツや散歩などで、十分に日光浴することも必要だったんですね。

実は本来であれば、体内に蓄積しているビタミンDの多くは、食材で摂取するよりも紫外線を浴びること
で皮下に作られる量のほうが断然多いのですが、近年は、紫外線から皮膚を保護する習慣が世界的に広がり、いまでは女性だけでなく、男性や子供にまでその傾向があります。
たしかに紫外線を多く浴びることへのリスクはありますが、1日15分~20分程度の日光浴でも、牛乳の中
に含まれる何十倍ものビタミンDが体内で合成されるので(しかもタダで)、1日1回くらいは日光に当たる
ことを心がけたいものですね^^。

 

 

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