最近増えてきた逆流性食道炎

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最近増えてきた逆流性食道炎

今月は、逆流性食道炎 GERD についてお話したいと思います。

ここ最近コマーシャルや健康テレビ番組でも紹介され、何かと注目されている逆流性食道炎。
胃腸科のお医者さんの待合室にもポスターが貼られていることが多いですね。
近年、逆流性食道炎は子供と大人の両方で一般的に診断される問題になってきました。
若い世代でも増えているようなので、少し話してみようと思います。

 

逆流性食道炎 GERD とは、まさに胃酸が食道に逆流してしまうことによって、食道粘膜が傷ついて炎症起こす病気です。

 

食道と胃の境界には横隔膜があり、この部分を「噴門」と呼びます。噴門は普段は閉ざされていますが、食道から食べ物が下りてくると開き、食べ物が通過すると再び閉じるようになっています。
そのため、普通なら胃液が食道に逆流することはありませんが、この噴門を閉じてくれる筋肉の機能が低下したり、胃が横隔膜より上に飛び出したりすると、噴門部分が広がり、胃液が食道に流れやすくなります。食道の粘膜は胃の粘膜と違い、胃酸から守られていないので、胃液によってただれやすくなります。そこで胸やけが起きるのです。

GERDには胸やけ以外にも、ゲップが出る、喉が詰まったような感覚、口の中が苦いまたはすっぱい、お腹が張るなどの症状が現れます。
また多くの人に、食後に横になっている時や、お腹を丸めて首を下におろした時などに胃の内容物が食道にあがってきて、イガイガ、ヒリヒリするような胸やけがあります。重篤になるケースは少ないですが、症状がひどいと食道に潰瘍が起こる場合もあるので注意しましょう。

 

お医者さんに行くと、大抵は胃酸を抑える薬をもらいますが、実は、GERDの原因は胃酸過多ではなく、食道下部(食道と胃の堺)にある食道括約筋がうまく働かなくなることが大きな原因になっています。
食道括約筋はリングの形をした筋肉で弁のような働きをします。胃から内容物が逆流しないように噴門部を閉じてくれるこの括約筋という筋肉がうまく機能しないことで、胃の中にある消化途中の食べ物や胃酸が食道に逆流してしまうのです。
食道括約筋は、通常食べ物を胃に送りこむ時や、ゲップが出る時などに緩んで開きますが、何らかの原因で緩んだ状態が慢性的に頻繁に起こるとGERDが発症すると考えられています。年齢が高くなるにつれて括約筋の働きが低下するため、GERDは加齢とともに多くみられますが、最近は若い人たちにも増えているようですね。

その他としては、食道裂孔(横隔膜で食道が通る部分)ヘルニアと言って、胃の一部が横隔膜よりも上に飛び出してしまっていることが原因になっている人もいます。

 

胸やけがする
食べた後、胃がムカムカする
喉が詰まる感じがする
胸や首が痛いまたは不快感がある
胸やけや痛みで眠れない
身体を丸めると気分が悪い
ゲップがよく出る
胃が痛い、もたれる

こんな方はもしかしたら、逆流性食道炎かもしれません。

 

 

逆流性食道炎と姿勢の関わり

逆流性食道炎の原因となっている食道括約筋ですが、括約筋の働きは、食事内容、食事の食べ方、食事をしている姿勢、衣服によっても変わることがあります。
油っぽいものや甘いものをよく食べる、大食い早食い、食事姿勢がわるい、背中が丸まっている、太っている人、その他、ベルトの締め過ぎ、ストレスが多い、お腹の膨満感があるなどが原因になっている場合があります。

今日はその中でも姿勢の部分についてのお話ですが、その前に・・・
姿勢と内臓の働きについて少しふれておきましょう。

 

身体を丸めることや猫背の人、または身体を捻っているなどの悪い姿勢習慣がある人はいませんか?
実はこれ、内臓機能がうまく発揮できない状況を作り出しています。このような悪姿勢は、内臓臓器を圧迫したり、念転の力が加わって内臓の機能低下を起こしてしまうのです。
特に食事中は、良い姿勢で食べることはとても重要なことです。悪い姿勢で食事をすると、それだけで消化不良を起こします。みなさん気づかないと思いますが、姿勢の悪さがしばしば不妊や内臓下垂、慢性胃炎・腸炎などの原因となっていることもあるので、注意してくださいね。

姿勢はこんなにも内臓機能に関わっているのです。

 

 

もちろん逆流性食道炎の場合も一緒です。
身体を丸めた姿勢で食事をしていると、内臓が圧迫され消化機能がうまく働きません。胃での消化がスムーズに行われないと、食べ物が胃の中に長い時間とどまることになったり、消化不良によりガスがたまる原因にもなります。またお腹を丸めることやガスがたまることで腹圧が高まり、胃を下から圧迫して逆流が起こりやすくなります。
腹圧に関して言うと、その他にも妊娠、肥満、便秘、膨満感、運動(力む)などが原因になる場合もあります。

このように、食事の姿勢はGERDを起こしやすいだけでなく、スムーズな消化が行われず、さらには消化不良により栄養の不均等をも引き起こします。

 

逆流性食道炎 GERD の兆候が少しでもある人、もちろんない人もですが・・・、

食事中は、背筋をしっかり伸ばして食事をとること。
一度に飲み込まず、よく噛んで食べること。
食後にすぐによこにならないこと(最低でも1時間は良い姿勢で)。

を注意してみましょうね。

 

 

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