副腎疲労症候群の症状 【その3】|アドレナリン・ノルアドレナリン過剰とうつ病と副腎疲労

 落ち込んで憂鬱そうな男性|副腎疲労blog

 

Summary:

 

⭐️ 社会現象にもなっている「うつ病」

⭐️ 「うつ病」になる原因や要素は、副腎疲労のそれとそっくり!?

⭐️ 身体のどこかしらに炎症があるとセロトニンが作られなくなる!?

⭐️ お腹のトラブルが「うつ病」につながる理由

 

 

みなさん、こんにちは。

 

 

 

副腎疲労専門カイロプラクティック

「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。

そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。

 

 

前回は、副腎髄質から分泌される興奮性のホルモン、特に「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」についてお話しました。

前回のblogはこちら↓

 

これらのホルモンは、カテコール基を持っているので「カテコールアミン(カテコラミン)」とも呼ばれていましたね。
このカテコールアミンは、とても奥が深いので、これから数回身近なお身体の症状と合わせてお話していきたいと思います。

 

今日は、カテコールアミンと「うつ病」との関連性です。

 

 

 

 ⭐️ 社会現象にもなっている「うつ病」

 

みなさん、ご存知でしょうか?

 

 

現在「うつ病」に悩まされる方は、実はすごく増えていて、社会現象にもなっているぐらいなんです。

 

特に日本では、これまでの4大疾病である「がん」「脳卒中」「心臓病」「糖尿病」に、新たに「精神疾患」が加わり、5大疾病になりました。
うつ病や不安障害は、90年代終盤から急上昇しており、98年からは自殺者の急増とも比例しています。

こういった状況から、大手の会社でも、うつ病に対する対応策を打ち出しているところも出てきていますね。当院にいらっしゃる患者さんのお話からも、会社内でも「うつ病」の人は増えてきているそうです。

 

  

 

⭐️ 「うつ病」になる原因や要素は、副腎疲労のそれとそっくり!?

 

ここまでの社会現象にもなっている「うつ病」。
一体どんなことが原因になっているのでしょう。

 

 

うつ病は、遺伝的要因、環境要因そして身体的要因から起こると言われています。
「遺伝的要因」については、また後の方でお話します。

 

 

まず「環境要因」としては・・・幼少期の辛い記憶・トラウマ、家族や親しい人の死、人間関係のストレス、家庭内の問題、就職や転職、転勤に伴う環境の変化、失業、財産の喪失、相続問題、貧困、結婚・妊娠・育児・引越などに伴う変化などが挙げられます。

そして、「身体的要因」では・・・肉体の酷使、睡眠不足、慢性的な疲労、感染症、癌、手術後、甲状腺の機能異常、月経や更年期などに関連するホルモンバランス、薬の副作用などがあげられます。

 

 

 

 

これ。

気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、「副腎疲労」になる原因とほとんど一緒。

 

 

それもそうですよね。
うつ病の方は、ほとんど「副腎疲労」に陥っている(副腎疲労によりホルモンバランスが崩れている)と言っても過言ではありません。

 

 

 

 

そして「うつ病」になりやすいタイプとしては、真面目で責任感が強い方。
そして完璧主義の方。
さらには人付き合いも良く、気も使えて、周囲の評価も高い方があげられます。

 

これも副腎疲労になりやすい人にそっくり。

 

こういうタイプの方は、なかなか人には疲れを見せずに、ストレスを溜め込んでしまっていたり、自分の許容範囲を超えて頑張り過ぎてしまうので、心身ともにバランスを崩しやすいと言えます。
特に副腎疲労になりやすい人と同様、義務感が強く、真面目で正直、几帳面、凝り性、そして完璧主義などの特徴があり、社交的でとても良い人な反面、何かあると激しやすい方もいらっしゃいます。
また他人の評価や人間関係もすごく重視していらっしゃる方が多いんです。

 

 

 

うつ病、そして副腎疲労になりやすい方は、じつは人間的にも本当に良い方が多くて、何かと頑張り過ぎてしまう人が多い。

 

 

 

 

気づきましたか?
この頑張り過ぎてしまうこと。

これは、副腎から「コルチゾール」を出して、いつも以上に頑張ってしまっているんです。
そして、副腎が疲れてコルチゾールが不足してくると今度は「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」をたくさん出して、自分の疲れをおしてでも、さらに頑張り続けてしまっているんです。

 

しかも、自分では最初なかなか気付いていないので、いくところまで行ってしまう人も多いんです。

 

アドレナリンやノルアドレナリンが過剰に分泌されている時は、決まってこれら興奮性のホルモンのブレーキ役である「セロトニン」が不足している傾向にあります。

 

 

 

「セロトニン」は、アミノ酸のトリプトファンを材料にして作られ、心身をリラックスさせるホルモンでもあります。またこのセロトニンを材料として、睡眠ホルモンである「メラトニン」も作られるために、不足すれば、うつ病の方の不眠症とも関連してくるわけです。

アドレナリンが過剰に出ているとずっと神経が高ぶった状態で、交感神経優位になります。イライラしたり、怒りっぽくなることも多くなり、ひどい時には動悸がしてくることもあります。そしてノルアドレナリンが過剰だと、それこそ悲観的になってしまったり、急に落ち込んでしまったり、不安感を感じたりと精神的にも不安定になります。

 

 

これらのホルモンは、脳の神経細胞の中で細胞から細胞へ情報を伝えていますが、過剰に分泌されているとずっと興奮性の情報ばかりが行き交うようになり、興奮や不安などの状態が続くことになります。その結果、継続的な過活動に陥ってしまうので、精神的にも肉体的にも不安定な状態になり、最終的にはひどく疲弊してしまいます。
そういった状態にならないように気分や意欲を抑制して安定させてくれるのがブレーキ役の「セロトニン」でもあるわけです。

 

うつ病は、ブレーキ役のホルモンが極端に少なくなるために発症しやすくなります。
うつ病のお薬が、セロトニンの量を増やすものが多いのは、こういった理由からなのです。

 

 

 

 ⭐️ 身体のどこかしらに炎症があるとセロトニンが作られなくなる!? 

 

前回少し触れましたが、身体の中に何かしら炎症があるもしくは感染症にかかっていることもよくありません。

 

 

体内のどこかしらで炎症がある(火事が起こっている)と、アミノ酸のトリプトファンからリラックス系のホルモン「セロトニン」を生成する経路には行かず、代わりに「キノリン酸」という物質が作られてしまう経路(キヌレイン経路)に進みます。
このキノリン酸は神経毒性があると言われていて、アルツハイマー型認知症や、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病などの脳の神経変性に関わっている可能性を示唆されています。

通常、キノリン酸は有毒のため、すぐに特有の酵素(キノリン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ)で無毒化されるのですが、人によって無毒化する力が弱い場合、脳内において異常な興奮状態が起こることにつながります。

 

 

 

この無毒化する力が弱いというのが、例えば酵素活性が弱い方や、遺伝子的にこの酵素をうまく合成できない人が含まれます。これが遺伝的要素という側面でもあるわけです。

 

 

  

このように体内に炎症(火事)が起こっていると、トリプトファンからセロトニンが作られづらくなり、キノリン酸へ向かう経路であるキヌレイン経路が活性化されるわけですが、これによりセロトニンによるブレーキが効かなくなるので、さらにアドレナリンやノルアドレナリンが止まらないということになります。

 

身体のどこかしらで炎症が起こっていると副腎疲労はもちろん、うつ病にもなりやすいということです。

 

 

こういった炎症は、私が臨床でやっている中ではやはり腸で起こっていることが多いです。

 

食物アレルギーや砂糖や精製された炭水化物の摂り過ぎは腸に炎症を起こすので、こういった食習慣を持っている人に「うつ病」が多いのもうなづけます。
そして、腸だけでなく、胃炎や胃潰瘍であっても症状の中に動悸がありますが、これは出血するといった要素以外にも、こういった背景によりアドレナリン・ノルアドレナリン過剰といった状況が起こり得るからだと私は思っています。

もちろん、他の炎症性疾患でも同様です。

 

 

 

⭐️ お腹のトラブルが「うつ病」につながる理由 

 

そして、もう一つ。

 

さらに難しいお話になりますが・・・

 

 

ドーパミンやノルアドレナリンなどのカテコールアミンを分解してくれる酵素があり、これをCOMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)と言います。
このCOMTが遺伝子の変異によって働きがあまり良くない方もいらっしゃって、そういった遺伝子的変異「SNPs」があると、カテコールアミンの分解がゆっくりになり、結果カテコールアミンが過剰になる傾向になります。またCOMTはこれらのカテコールアミンを分解するときにメチル基を使うので、メチレーションという代謝がうまくまわっていないような方は、ここの分解がうまくいかなくなる傾向にあります。
(メチレーションは、副腎疲労を回復していくにもとても重要な分野の話なので、また別の機会でじっくりお話します)

 

そうなると、カテコールアミン過剰による、不安感、うつ病、そして不眠症なども起こってきます。
これも前述の遺伝的要素の一つになります。

  

 

 

COMTは女性ホルモンの代謝にも深く関わるのですが、この話もまた別の機会に譲るとして、実はここに腸の状態も関わってくるんです。

 

腸の状態が良くない方・・・

 

 

いわゆる甘いものや精製された炭水化物の摂り過ぎ、食物アレルギー、お酒や外食続きで食生活が乱れている人など、お腹の状態があまり良くない方、また乳酸菌が減っていて、カンジダなどのイースト類が繁殖しているようなトラブルをお腹に抱えているような方は、COMTの働きが抑制されてしまいます。
このことが結果的に、カテコールアミンの分解を抑えてしまい、カテコールアミン過剰による不安感、うつ病、不眠症を招いてしまいます。

 

 

腸脳相関とも言われるように、お腹のトラブルが精神状態につながるのはこういったこともあるんです。

 

深いですよねー。

 

 

  

 

ちょっと難しくなり過ぎたかもしれませんが、本当に奥が深く面白い話です。
トリプトファンからの代謝経路や、遺伝的なお話はまだまだ先がありますので、少しずつ話していきますね。

 

 

 

最後に・・・

 

私が臨床をしている感覚ですが、アドレナリンやノルアドレナリンが過剰に出やすい人がいますね〜。
そういう体質というよりは、性格や遺伝的要素も大きく関わっているのかもしれません。

 

身体を診るといつもカテコールアミンが過剰な方、いらっしゃるんです。

 

先ほどのうつ病になりやすい方とも通じますが、毎日休みなく動いている人にとても多いような気がしています。大抵、いろんなことに気を遣えて、何かイベントがあると何から何まで頑張ってやってしまう、さらに日常でもあまり家でのんびりということはなく、何かしら予定が入っていていつも外出している・・・

そんな方は要注意ですよ。

 

 

要注意です!なんて言っておきながら、お恥ずかしいのですが、私も実はこのタイプです・・・笑。
1日家でのんびりということが、本当にありません。
常になんかしら予定を詰めております。

いけないいけないと思いつつ・・・。

副腎疲労になるわけです。

 

 

 

さて、話は戻りますが、こういった方。

頭の回転も早いのでいろんなことに気がつく分、自分の体力以上のことをこなしてしまう。しかもこなせてしまうんです。どうやってこなしているかというと、アドレナリン頼りです。
自分では気付いていないのですが、アドレナリンを出すことがとても多く、アドレナリン分泌が癖のようになっていて、毎日何かしら常に考えたり、動いていて、ゆっくりしていないんですねー。

 

 

 

 

自分にも本当に言いたいと思いますが・・・
該当する方は是非とも!

 

1週間に1日でも、1日に数分でもリラックスする時間を必ず作りましょう!

 

 

 

それだけでも、副腎疲労、さらにはうつ病の予防になると思います。

 

 

長くなりましたが、アクセル役でもあるアドレナリン・ノルアドレナリンなどの「カテコールアミン」が過剰になり、ブレーキ役の「セロトニン」が少なくなると「うつ病」になりやすく、これこそが、副腎疲労と「うつ病」の深い関わりです。
またうつ症状がある人は、副腎から分泌されるDHEAというホルモンの分泌も低いこともわかっています。

 

 

では、また次回もお楽しみに〜。

 

 

 

Thank you for reading to the end.

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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Written by

小菅一憲

Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science 
AK Practitioner

国際基準のカイロプラクター
アプライドキネシオロジスト
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本当に健康になった時の素晴らしさを実感してもらいたい。 
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Thank you for reading to the end.