食物アレルギーが広い範囲で健康状態に悪影響を及ぼすことは、アメリカのアレルギー委員会元委員長のブラナマン医師をはじめ多くの研究者が指摘しています。

ブラナマン医師はこう言います。
「食物アレルギーは、からだのあらゆる部分で、あらゆることを起こし得る」
そうなのです。アレルギーは本当に身体にあらゆる障害を引き起こし得るのです。

アレルギーが引き起こす症状には以下のものがあります。

 

喘息
鼻炎
膀胱炎
滑液包炎
セリアック病
うつ病
十二指腸潰瘍
浮腫
疲労
胃炎
発疹
低血糖
めまい
学習障害
軽い脳の機能障害
気分が安定しない
頻繁に感染症にかかる
ふきでもの
夜尿症
気管支炎
口や唇の潰瘍
慢性の腰痛
下痢
湿疹
腹部にガスがたまる
頭痛(片頭痛など)
自閉症
総合失調症
慢性疲労症候群
てんかん
ハイパーアクティビティ
過敏性大腸炎
メニエール
中耳炎
口内炎
線維性筋痛症
関節リウマチ
関節の痛み、腫れ
栄養素の吸収不全
腎炎
尿にタンパク質が出る
発作
潰瘍性大腸炎
肌のかゆみ
アトピー性皮膚炎
蕁麻疹

 

ざーっとこのくらいあります。
膨大な量だと思いますが、これらの病気にアレルギーが関わっているケースは非常に多いといえます。もちろん全ての原因が必ずしもアレルギーだけとは言いませんが・・・。

こうなってくると食物アレルギーや過敏性の存在を知らないだけで、一般的な医療現場では無数の誤診が生まれているかもしれませんよね。深刻な症状を抱えている人でも、病院の検査で異常がなく、原因がわからない人の場合、食物アレルギーがかかわっているケースはものすごい数になるのではないでしょうか。

私の臨床でも、カイロプラクティックの検査において、食物アレルギーや過敏症の疑いがある患者さんが多くいます。症状のひどい人にはアレルギーの検査を受けてもらったりもしますが、食物アレルギーを解決できると持っていた症状に大きく改善がみられたり、すっかり消失することもあります。
そして解決できた患者さんからは、決まって「こんなに身体が元気なことはいままで初めてです!」とおっしゃって頂けるのです。

 

こういった多くの疾患とアレルギーの関連性が見過ごされている原因としては、アレルギーの定義があいまいなことと、食物過敏症に対する私たちの圧倒的な認識不足があります。
私たちの周りには、目のかゆみ、鼻水、過敏性大腸炎、片頭痛、蕁麻疹、湿疹、慢性疲労といった何らかのアレルギー症状に悩まされている人が必ずと言ってよいほど存在しています。
控え目に見ても人口の25%以上の人は何らかの食物、科学物質に対してアレルギーを持っています。なおかつその数は近年どんどん増えているくらいです。
日本で一般的なIgEタイプのアレルギー以外の非IgEタイプを入れていくと実際のアレルギー発症率は極めて高いと思います。

 

こういったアレルギーからくる症状を、知識として少しでも頭にいれておくことで、自分の健康はもとより、家族、親しい人の症状がそういったものからきていないか、そして病院でアレルギーを見過ごされたり、誤った診断をされることがないかどうか、きちんと見極めていけるように私達自身がなっていくこと、それが重要です。

 

さて、食物アレルギーと不耐性がある状態では、副腎機能低下症が存在するケースがほとんどです。アレルギーなどが起こる時には、炎症反応があり、治癒の行程において炎症促進/抑制ホルモンが重要になります。アレルギー物質に触れる機会が多いことで、体内で継続した炎症が起こると、炎症のコントロールを行っている副腎に負担がかかり、ついには副腎は疲弊した状態になってしまうのです。また副腎機能低下があるとアレルギー症状が出やすいとも言えます。

 

アプライドキネシオロジーでは、患者さんに抗原を口に含んでもらうことによって食物アレルギーを確認することができます。もし食べ物に対するアレルギーがある場合は、その食材を口に含んだ状態で筋力検査を行うと、一般的な筋肉に筋力低下が見られたり、あるいは、食物によってストレスを受ける領域に関連する筋肉に筋力低下が見られます。
こういった場合、検査でも決まって副腎の機能低下が見られ、副腎に対する治療は何よりも優先されます。そしてこれに関連して、仙腸関節(骨盤)の後方に傾いた状態が見られることがあります。これはアレルギーや過敏反応を起こす副腎機能低下症に起因して、関連する足(モモの辺り)の筋肉が弱化し、仙腸関節の機能障害を起こすからと考えられています。
構造的な問題を治療していくことも、こういった副腎機能低下や食物アレルギーを改善していくために重要なことです。その他、食物アレルギーがある場合、カンジダ症と低血糖症も存在しています。また回盲弁症候群が継続して存在していることもよくあるので、それに対する治療も大切になってきます。

 

食物アレルギーは血液検査によっても行えますが、もし気になる方は、3日に1度以上食べているあらゆる食物に対してスクリーニングしていくと良いでしょう。一般的にアレルギー反応を示す食べ物は、砂糖、フルーツジュース、酢、ドライフルーツ、精製食品、チーズ、小麦あるいは穀類、トマトが多く、また自分が一番食べたくなるものにアレルギーがあることも多いです。気になる食材を2週間程避けて自分の体調がどうなるかチェックしていくチャレンジテストも有効です。

これらの検査で食物アレルギーが明らかになったら、アレルギーの原因となる食材を避けること、もしくは状況によってローテションで食べていくことが重要になります。栄養素としては、亜鉛、ビタミンB6、膵臓酵素、塩酸ベタイン、ビタミンC、その他必須脂肪酸のバランスは大切です。