低血糖症の原因には、大きく3つあります。

 

1.精製された糖質の過剰摂取

やはり一番の原因となるのは、精製された糖質を過剰に摂取していることです。精製された糖質とは、砂糖やブドウ糖果糖液糖、それらが入ったお菓子やスナック、清涼飲料水、精製された穀物(白米、パン)などです。
特に、この砂糖やブドウ糖果糖液糖がくせ者で、様々な加工品、そして調味料に入っているのです。みなさんも注意して原材料を見てみて下さい。かなりの確率で入っていることが多いと思います。
こうなると、意識して心掛けないと私たちの口の中には、どんどん精製された糖質が入ってきていると思いませんか。
知らぬ間に、なんとなく毎日身体がだるい、疲れやすくなったと感じる、身体のどこかが調子悪いといった症状があらわれ、そしてある日急にドーンと体調が悪くなり、病院に行くと検査では何も出ず、自律神経失調症だと言われる・・・・。そんな風に低血糖症になってしまっている方も多いのです。

こういったケースでは、カイロプラクティックの検査で膵臓の機能低下が見られ、治療はもとより食事の改善が大きなポイントとなります。栄養素ではビタミンAや必須脂肪酸、塩酸ベタイン、膵臓酵素、亜鉛、クロム、ビタミンB5などが選ばれます。

 

 

2.副腎機能低下や甲状腺機能低下によるホルモンバランスの乱れ

ストレス調整臓器と呼ばれる副腎ですが、副腎の働きのうちの1つに血糖値のコントロールという大事な働きがあります。長期的なストレスは副腎を疲労させてしまうのですが、副腎機能低下の状態に陥ると血糖値のコントロール(副腎は血糖調整に関わっている臓器でもあり、血糖値をあげるホルモンを分泌する)がうまくいかず、低血糖が起こりやすくなります。こういったことから副腎機能低下に陥ることは、低血糖症が起こりやすい状況につながるとも言えるのです。
また精神的なストレスはアドレナリンを分泌させ、血糖値を不安定にさせます。
実は身体へのストレスが長期でかかっている背景があって、低血糖症になってしまったり、大きなストレスがキッカケで甘いものやカフェインを摂るようになってしまい、その結果低血糖症になることも多いのです。

こういった場合、カイロプラクティックの検査では、副腎の機能低下がみられます。副腎へのストレスは様々あり、治療も副腎の状態によって変わってきます。副腎に負担をかけない食事の摂り方や適度な運動、そしてストレスコントロールが重要になります。食事に関しては、その人の代謝のタイプによって炭水化物とタンパク質をどういう割合で摂るかを考えていくことが大事です。自分の本来のタイプにあった食事の摂り方をしてあげると改善が早く現れます。栄養素としては副腎エキス、ビタミンC、ビタミンB(特にB5)、クロム、関連したハーブが選ばれます。

 

甲状腺の機能が低下するとエネルギーの低下が見られ、体温の低下なども起こりますが、これらの症状は副腎機能低下とも似ており、併発することもあります。また甲状腺機能低下があると、身体は脂肪よりも糖質を燃焼するようになります。甲状腺ホルモンは消化器系からグルコースの吸収に必要となるので、不足すると低血糖症を引き起こす原因ともなります。

まちがった食事や生活習慣が低血糖症を起こす原因となり、さまざまなホルモンバランスの乱れを起こす原因となりますが、逆になんらかの原因による「ホルモンバランスの乱れ」が低血糖症を引き起こしている場合があるのです。
副腎機能低下症や隠れた甲状腺機能低下症はその代表的なものでしょう。これら臓器から分泌されるホルモンは血糖値を上げるはたらきがあるため、その低下が低血糖症の原因になっている場合があるのです。この場合、それら臓器の回復とホルモンバランスの乱れを整えることが、低血糖症の治療になります。

 

 

3.食物アレルギーと食物不耐性

低血糖症と合併していることが多いのが、副腎機能低下症以外に「食物アレルギーと食物不耐性」です。また食物アレルギーと食物不耐性が低血糖症を起こす原因となっていることも多くみられます。
食物アレルギーがあると、アレルゲンに対抗するためにコルチゾール・アドレナリン・ノルアドレナリンなどのホルモンが過剰に分泌され、ホルモンバランスを崩す原因になることが指摘されています。
食物アレルギーや不耐性を持っている食材を摂取すると、消化不良が起き、小腸で炎症が起こります。小腸での炎症が度重なることで、絨毛がなくなってしまうと栄養素の吸収がうまく出来なくなります。各ビタミン・ミネラルなどの栄養素不足も起こりますが、必要な時にスムーズに糖分吸収がされないことも低血糖症の原因になります。
食物アレルギーがある場合は、原因となる食品を避けることで、症状の改善が期待できます。この場合、即時型のIgE抗体だけでなく遅延型のIgG抗体を調べることが重要になります。この遅延型は、即時型と違って、症状がゆっくり現れることやあまりハッキリしない症状が多いので、本人が気づいてない場合が多々あるのです。

こういった場合、カイロプラクティックの検査では、副腎や胸腺など免疫に関わる臓器の機能低下や胃酸分泌低下、それに関連する頭蓋骨障害が見られます。そういった状態に対する治療はもちろんアレルギーを起こす食材の除去食、ローテーションダイエットが重要になります。
栄養素では、オメガ3必須脂肪酸やγリノレン酸による抗炎症サポート、そして塩酸ベタイン、膵臓酵素などによる消化吸収サポートなどが選ばれます。また亜鉛、ビタミンB6、ビタミンCが必要な場合もあります。

 

 

4.その他

このほかにも、腸内細菌のアンバランス、カンジダ菌などの感染症、重金属の蓄積などが、低血糖症をはじめとするさまざまな難病や症状の原因となっている場合があります。
適切な検査をおこない、原因に応じた治療をしていくことが必要です。