加齢と骨格 〜骨って老化するの?〜

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今日は「加齢と骨格」というお話ですが・・・
実は「骨」自体には老化というものはありません。
骨には生理的な老化というものはないのです。

「加齢」とともに起こるのは、骨の構成成分が減少して骨量が減るということなのです。
それを一般には老化としていますが、骨自体に老化はないので、その構成成分を増やしておく、もしくは減らないようにすることで、加齢による骨の変化は防止できるということなのです。

 

 

骨のリモデリング

人間の骨は、新しい骨をつくる細胞「骨芽細胞」と古い骨を溶かす細胞「破骨細胞」が同時に働くことで代謝を行っています。骨の中の古くなったコラーゲンとカルシウムを破骨細胞が酸で溶かして血液中に流します。そして骨芽細胞はまずコラーゲンから骨基質(骨の骨組み)を作り、そこにカルシウムを加えて骨を作り出します。1本の骨は2年〜3年かけて生まれかわりますが、加齢によってバランスが崩れると、骨を破壊する細胞のほうが偏って活発になっていき、骨密度が減っていきます。

 

骨も、皮膚と同様に生まれる前に形成され、その後、更新されつづけます。
骨が成長して、成人の骨の形と大きさに達した後でも、古い骨は破壊され続け、その場所に新しい骨組織が形成されます。
この古い骨組織を新しい骨組織で取り替え続けることを、骨のリモデリング remodeling といいます。

正常人では骨吸収と骨形成が平衡状態にあるため、骨量は一定に維持されていますが、このバランスが破錠したりすると、骨量が減少して、骨粗鬆症などが起こります。
ミネラルとコラーゲンを沈着させて骨を形成する骨芽細胞、ミネラルとコラーゲンを吸収して骨組織を壊す破骨細胞、この二つの細胞の働きには微妙なバランスが保たれています。
あまりにたくさんのミネラルが骨に沈着すると余分な骨組織が骨に大きなこぶや鋭い突起をつくり、関節の動きを悪くすることがあります。また逆に骨からカルシウムが過剰に失われたり、新しい骨組織が十分につくられなかったりすると骨が弱くなり、曲がったり、骨折しやすくなります。
このように、この二つの細胞の働きは骨のリモデリングには非常に重要なのですね。

 

人は産まれてから思春期にかけては、このようなリモデリング(古い骨組織を新しい骨組織に取り替え続けること→以前のblog参照)で骨が失われるよりも、骨形成の方が勝っています。
青年では、骨が失われる早さと形成される早さとが、ほぼ等しくなります。
そして中年になって、性ホルモン(ステロイド)量が減少すると、閉経後の女性では特に、骨吸収量が骨形成量を越えるので、骨量が減少します。

 

 

骨の作られ方

では骨はどのように作られていくのでしょう。

まず、骨を作るのに必要なのは、みなさんご存知のカルシウムでしょう。
ですが、カルシウムだけでは骨は作られません。
実はそこには様々な栄養素やホルモンが関わってくるのです。

 

例えば、お魚の小骨を食べたとしましょう。
お魚の小骨はもちろんそのままでは吸収されません。
胃酸に溶けてカルシウム Ca に分解されます。その後、小腸の壁から吸収されるのですが、そのままではなかなか吸収ができないのです。

 

そこにビタミンDが必要になります。
ビタミンDは肝臓と腎臓で活性化され、活性化ビタミンD(ビタミンD3)というビタミンになり、このビタミンD3が消化管からのカルシウム吸収を促進してくれます。
ビタミンD3は腸管の内皮細胞でカルシウム結合たんぱく質を産生し、カルシウムの吸収を増加します。
血中のカルシウム濃度が増えると、甲状腺から甲状腺ホルモン(カルシトニン)が分泌され、骨芽細胞の働きにより、新しい骨が形成されます。
この時、カルシウムは、リンと結合したリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムやマグネシウムと結合したリン酸マグネシウム様物質としてコラーゲンとともに骨に沈着します。また骨のたんぱく質と直接結合するカルシウムもあります。

 

ビタミンD
  ↓ マグネシウム
ビタミンDの活性化(肝臓、腎臓)
  ↓
カルシウム結合たんぱく質の産生(小腸)
  ↓ カルシウム
カルシウムの吸収と移動
  ↓ リン・マグネシウム
リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム
リン酸マグネシウム様物質
カルシウム
コラーゲン(アミノ酸から形成された)
  ↓
骨に沈着

 

このように骨の形成にはカルシウムの他に、十分なミネラル(リンやマグネシウム)、ビタミン(A、C、D)、数種のホルモン(骨形成を刺激するヒト成長ホルモンや膵臓から分泌されるインスリン、甲状腺ホルモン)などが関わってくるのです。
その中でもカルシウムの吸収を助ける重要なビタミンD。
食品以外にも、紫外線に当たることによって皮膚でコレステロールの合成過程から作られるビタミンD3があり、どちらかというと体内ではこのビタミンD3の働きがカルシウムの吸収に役立っています。

 

 

男性と女性の骨量減少の違い

女性と男性では骨量の減少の仕方が少し違います。

通常、女性は骨量が減少するのは30歳以降に始まり、エストロゲン(女性ホルモン)の量が減少する45歳頃には急激に、加速的に骨量が減ってしまいます。そして骨量の減少は続き、70歳までには骨に含まれるカルシウムの30%が失われます。女性では、一旦、骨が失われ始めると、10年間に約8%ずつの骨量が失われ続けてしまうのです。
さらに女性の骨は一般に男性の骨よりも、元々小さいので、老人での骨量の減少は、女性に典型的で、より深刻な問題を引き起こすことになります。
一方、男性では、60歳になるまで、骨からカルシウムが失われることはなく、その後は10年間に約3%ずつ骨量が失われます。

 

加齢による「骨量の減少」は避けられないことなのですね。
そしてもう一つ、加齢によって起こることがあります。それは「骨が脆くなる」ことです。
骨が脆くなるのは、タンパク質を合成する早さが遅くなることと、ヒト成長ホルモンの分泌量が少なくなることなどによります。ヒト成長ホルモンの量が減ると、骨を強くし、骨に柔軟性をもたせる繊維の産出量が減ってしまうのです。結果として、コラーゲン(タンパク質やビタミン)やカルシウム結合タンパク質で出来ていた「骨基質(骨の骨組み)」の大部分が無機のミネラルによって占められるようになってしまうのです。

 

加齢は骨に対して、大きな2つの影響をもたらします。
それは、「骨量が失われること」、そして「骨が脆くなること」なのです。

いちどスカスカになった骨は二度と回復しません。
骨量が減っていくのは誰にもまぬがれないことならば、どうすればいいのでしょう。
それは20〜35歳にピークを迎える最大骨塩量(peak bone mass)をできるだけ増やしておくことです。
若いうちから食生活と運動で、最大の骨量をあげておけば、加齢によって減ってきてもリスクは少なくなります。
そして、そのことが骨粗鬆症の予防にもなるのです。
無理なダイエットがリスクを高めることになるのは、言うまでもありません。

 

もう間に合わないという人がたくさんいるかもしれません。
それでも骨を丈夫にする栄養素や食事、運動によって骨量の減る速度をゆるやかにはできるでしょう。

 

骨に適度なストレスを与える運動の目安は一日に一万歩以上。
丈夫でしなやかな骨をつくるために、ふだんの生活を見直すことから予防を始めましょう。
また、大事なビタミンDを作るのに、1日1回くらいは日光に当たることを心がけたいものですね^^。

 

 

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