牛乳アレルギー 〜腸管壁浸漏症候群LGS〜

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牛乳のタンパク質によるアレルギー

今回は、牛乳のタンパク質が起こす問題について。
知らない方も多いかもしれませんが、牛乳に含まれるカゼインというタンパク質はアレルギーなどの問題を起こしやすいタンパク質と言えます。
牛乳のたんぱく質は、アレルギーの原因になったり、消化しにくいタンパク質のため胃腸の状態を悪化させ、鉄欠乏性貧血を起こしたり、神経系統の働きに支障をきたす可能性があるのですね。
今日はそんなお話を。

 

牛乳のタンパク質は、ホエイ(乳清)とカーズの2種類があります。カーズはカゼインという物質に変化しますが、これは人体にとっては不健康となる物質です。ちなみにホエイタンパクには種々のビタミン、ミネラル、カルシウムに豊富なタンパク質を含んでおり、タンパク質を原料としたチーズは健康的な食べ物にもなり得ます。高いリコッタチーズなどはホエイタンパクを多く含んでいますね。(ただ、ホエイでも問題を起こす人はいます)。

「カゼイン」というタンパク質は牛乳のタンパク質の80%を占めています。母乳にもカゼインが含まれますが、これは赤ちゃんの胃腸でも消化しやすいものです。しかし、牛乳の「カゼイン」は、胃を4つ持っている子牛だからこそ消化が可能なのです。
とくに人間の子供にとっては消化・分解が困難なたんぱく質なのですね。

牛乳の中の80%のカゼインはそのうち40%が「αカゼイン」、残り40%が「βカゼイン」です。一方人間の母乳のカゼインはほとんどが「βカゼイン」です。生まれた赤ちゃんには牛乳に含まれるαカゼインを分解するレンニンという酵素がなく、赤ちゃんに牛乳を与えると下痢をしてしまいます。

 

「レンニン」はチーズを作る時に使う固形ラードのようなもので、人間にはレンニンという酵素は作ることが出来ません。その代わりを胃酸が補うことになるのですが、カゼインはとても固いたんぱく成分なので、胃酸でもなかなか分解しづらいのです。
胃の中でたんぱく質分解をするペクチンがちゃんと分泌できるようになる2、3才までは、
牛乳は、絶対に与えるべきではなく、その後もできれば避けたい食品です。それは成人でも牛乳のたんぱく質によって問題を起こす場合があるからなのです。

 

 

腸管壁浸漏症候群 Leaky Gut Syndrome

牛乳のたんぱく質「カゼイン」は特に、「腸管壁浸漏性症候群 Leaky Gut Syndrome」を起こしやすいものでもあります。
この腸管壁浸漏性症候群、LGSとは、小腸の外敵から守る薄い膜「膜バリア」が、汚染された食べ物、抗生物質、有毒な金属やウィルス、真菌(カンジダ、イースト)などに攻撃されて、傷つき破れてしまう状態です。

LGSが起きると、身体に必要な栄養素の吸収がうまくいかなくなります。ひどくなると栄養吸収障害による栄養失調や欠乏症を招いてしまうのです。
また、破けた穴から消化しきれなかった大きな分子の食べ物や有害な物質が身体の中に漏れだしてしまうために病気の引き金にもなります。
そもそも人間は、食べたものを吸収するために、よく噛んで、消化酵素にからませながら、胃と腸でこまかく分解します。小腸の膜バリアの細かい網目を通れるだけの栄養素だけが、身体に吸収されてエネルギーになるのです。

この膜バリアに炎症を起こしたり、破けた状態を作ってしまうものに、実は「牛乳・乳製品」のたんぱく質である「カゼイン」があげられます。

 

通常膜バリアは2~5日で再生しますが、攻撃がやまないと破けたままの状態になり、栄養吸収障害がつづき、アトピー(食物アレルギー)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ゼンソク、自閉症、腹痛、夜尿症、便秘、下痢、慢性疲労、原因不明の発熱、消化不良、不眠症などが引き起こされます。

怖いですよね。

 

 

まださらなる問題があります。
カゼインは腸でタンパク分子「ペプチド」に分解されますが、このとき「モルフィン」と呼ばれる物質になります。これは本来、血液の中には存在していけない有害な物質なのですが、LGSになっている場合は、腸バリアが壊れており、その隙間からモルフィンが身体に吸収されてしまいます。
モルフィンは体内に入ると、モルヒネと似た作用を持つことがわかっています。脳の膜を通して脳の中に入り、特に子供の脳には悪い影響を与えます。

フロリダ大学の報告によると、自閉症患者や統合失調症(精神分裂病)患者の95%に「ペプチド尿症」(ペプチドが尿に排泄される)が見られると言われています。ふつうペプチドは尿に出ませんが、腸膜が破けて、モルフィンが血液に入り、これを腎臓がろ過できないと、尿に出てくるようです。実際牛乳を断つことで、患者さんの症状が改善されています。

 

前回は牛乳に含まれる糖質による害をお伝えしましたが、今回はタンパク質「カゼイン」についてのお話をしました。みなさんいかがでしたか?
また次回をお楽しみに〜。

 

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