炭水化物(糖質)carbohydrate|糖質からのエネルギーの作られ方

炭水化物(糖質)carbohydrate|糖質からのエネルギーの作られ方01

 

Summary:

 

⭐️ 炭水化物(糖質)の消化の流れと「糖新生」について

⭐️ クエン酸回路(TCAサイクル)でエネルギーを作る!?ビタミンB群の重要性

 

 

みなさん、こんにちは。

 

 

 

副腎疲労専門カイロプラクティック

「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。

そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。

 

 

 

前回のblogでは、糖質は、炭素・水素・酸素で構成される有機化合物で、化学構造の特徴からブドウ糖などの単糖類、ショ糖やオリゴ糖などの小糖類、デンプン、グリコーゲンなどの多糖類に分類されるという話をしました。
主にエネルギー源として体内で利用される糖質は、ヒトをはじめとする体内にはわずかにしか含まれていません。
そのため、緑色植物が光合成でつくったデンプンなどの糖質をエネルギー源として摂取し、利用しています。

 

 

エネルギーをつくるときによく聞くTCAサイクル。

みなさんも学生時代勉強しませんでしたか?
三大栄養素は全てエネルギーになりますが、とくに糖質を理解する上でエネルギーをつくる流れは大切なので、今日は糖質からどのようにエネルギーが作られているか、お話をしていきましょう!

  

 

 

⭐️ 炭水化物(糖質)の消化の流れと「糖新生」について

  

食べ物からとった糖質(炭水化物)の多くは、咀嚼で部分的に消化され(唾液腺アミラーゼによって)、その後の胃ではほとんど消化されずに腸まで行きます。十二指腸まで到達した炭水化物は、十二指腸壁の膵管の開口部より流れる膵アミラーゼによって二糖類まで分解されます。さらに小腸でマルターゼやラクターゼなどの二糖類加水分解酵素によってブドウ糖(グルコース)にまで分解され、小腸壁から吸収されます。
その後血液を通して各細胞に運ばれ、エネルギーとして利用されますが、同様にエネルギー源となる脂質に比べて分解・吸収が早く、即効性があるのが特徴でもあります。
またエネルギーとなる以外の残りは、門脈から肝臓へ行って、グリコーゲンとして蓄えられますが、その貯蔵量には限界があるので、さらに余ったものは体脂肪となります。とくに今の食生活では、基礎代謝量以上の糖質(炭水化物)が摂取されることも多いので、余ったグリコーゲンが皮下に蓄えられ、これが肥満の原因となっているわけです。

 

 

脳のエネルギーとしても糖質は重要な栄養。
脳の膜(脳関門)を通過することができる栄養素がこの「グルコース」で、脳は体の中で最もグルコースを消費するところと言われています。
それもそう、総エネルギー消費量の1/5は脳の中で使われるのです。

脳内でエネルギー源として働いたグルコースは、通常、二酸化炭素と水に分解されて、体外に排泄されますが、1回限りの使い切りでリサイクルはできません。
脳は24時間フル回転で働いていますので、エネルギー源であるグルコースは、コンスタントに供給されている必要があります。供給が滞ると、記憶力も思考力も低下します。
脳を活発に働かせるためには、3回の食事でしっかり栄養を摂ること、またどのような形の糖質を摂るかも重要になってきます。
またスポーツをやるとしても、筋肉を動かすエネルギーもすべてグルコースですから、タイミングのよい糖質の補給は欠かせません。

 

 

 

 

ちなみに炭水化物には、消化や吸収の早いものと、遅いものがあります。吸収が早いのは、単体のブドウ糖や果糖などで、こうした炭水化物は、瞬発力はありますが持続力はありません。
もしスタミナ持続が目的なら、血糖値をできるだけ一定のレベルに保つことが必要です。
グルコースの血中濃度を継続的に、長く維持するためには、消化・吸収の遅い複合炭水化物を摂ることが秘訣です。
それには後のblogでも紹介するGI値(食後に血糖が上昇するスピードを食品別にあらわした数値)の低い食品を選べば良いということになります。

 

 

さて、ではもしもグルコースが不足した場合はどうなるでしょう?

 

総摂取カロリーに占める糖質の摂取割合が40%以下になると、エネルギーの材料が不足するために、身体がだるくなったり、集中力がなくなったりします。
その時には、身体は基礎代謝や活動のためのエネルギーを獲得するために、自律神経やホルモンを働かせ、脂肪やタンパク質からエネルギーを産生しようとします。
グルコースが不足した後、数時間は肝臓に貯蔵されたグリコーゲンが、グルコースに変わって働きます。数日間生きていられるのは、糖質以外の栄養素からグルコースが合成されるためで、これが「糖新生」と言われるものなのです。
ちなみに毎日夜中寝ているときに、このシステムを働かせて、朝低血糖が起きないようにしています^^。

 

 

 

⭐️ クエン酸回路(TCAサイクル)でエネルギーを作る!?ビタミンB群の重要性

 

さて、ここまである程度消化吸収の流れがわかったところで、やっとエネルギーをつくる過程についてのお話です。

 

 

食物から摂取した栄養のうち、3大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質は、それぞれブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸・グリセリンに代謝され、細胞に取り込まれ、ミトコンドリア内でさまざまな過程を経て生命のエネルギーであるATPと呼ばれる物質を生み出していきます。
細胞が活動するためにはエネルギーが必要です。そのエネルギーになるのがこのATPなのです。
このATPを用いて、私たちの身体は内臓や神経などのさまざまな組織の動かしているのですね!
ちなみにその中心的な材料となるブドウ糖(グルコース)。1つのブドウ糖分子は、38個のATPを産生できると言われています。

 

 

 

このATPを作るエネルギー代謝(私たちの身体を構成する60兆個の細胞に共通して行われる代謝)の流れが、今日の話の重要なポイント。
「TCAサイクル」や「クエン酸回路」と呼ばれるものです!

 

 

 

ちなみにここで働く酵素は、この反応を支え、促す働きをする触媒機能を持った微量のタンパク質で、代謝が進むために必須のものです。またそれらは単独では機能せず、補酵素であるビタミンB群やビタミンCそして補酵素と同じような働きをするミネラルと一緒になって初めて機能できるものがほとんどとなっています。
糖質からエネルギーを作り出していくには、タンパク質や補酵素のビタミン・ミネラルが重要だったのですね!

TCAサイクルで使われるミネラルには、マンガン、コバルト、マグネシウム、ヘム鉄などがあります。また糖質が体内で代謝され、エネルギーに変換されるためには、補酵素としてビタミンB群が非常に重要です。
もちろん摂取する糖質の量が増えるほど、ビタミンB群の必要量が増していきます。
たとえば、夏バテの原因の一つに、甘い清涼飲料水や氷菓、果物などで糖質をたくさんとるのに、食欲が落ちて食事がおろそかになり、ビタミンB群が足りなくなることがあげられているくらいです。

TCAサイクルを見てみるとあらゆるところでビタミンB1やナイアシンが使われているのがわかります。ナイアシンももちろんビタミンB群の一種です。

TCA回路が回転することでエネルギーが作られるのですが、この回転の過程でビタミンB1を必要とする箇所があり、不足すると十分に回転できなくなってエネルギー生産が滞ってしまいます。
また、炭水化物がエネルギーとして利用されるには、TCA回路の前段階として解糖系と言う代謝経路を通過します。解糖系ではグルコースがピルビン酸まで変化し、さらにそれがアセチルCoAへと変化してTCA回路へと進むのですが、ビタミンB1はこのピルビン酸からアセチルCoAへの変化の過程にも必要なのです。ビタミンB1が十分にあると、ピルビン酸はアセチルCoAになり、エネルギーの原料として使われ「完全燃焼」しますが、もしビタミンB1が不足するとまずアセチルCoAへの変化が滞ります。そうするとTCA回路へと進むことも出来ず、「不完全燃焼」になり、エネルギーの生産まで滞ってしまいます。

 

 

このように、ビタミンB1はエネルギー生産にはなくてはならない栄養素なのですね^^。
さらに言うと、この解糖系では、ブドウ糖→ピルビン酸→アセチルCoAという流れが起こるわけですが、ビタミンB1が不足し、アセチルCoAへの変化が滞ることでエネルギー生産できないだけでなく、ピルビン酸も蓄積していってしまうのです。

わかりますか?
ピルビン酸は嫌気性分解(酸素を必要としないエネルギー代謝)を経て疲労物質である乳酸へと変化するので、乳酸の蓄積にもつながりますよね。
なんて大事なんでしょうビタミンB1。

また、ナイアシンは、ブドウ糖がピルビン酸に分解される時やアセチルCoAがTCA回路で分解される時に必要な物質です。
その他、同じビタミンB群のパントテン酸も重要です。

 

 

みなさん是非、ビタミンB群の重要性覚えておいてください^^。
糖質をたくさん摂るような人はビタミンB群!です。

 

 

糖質を代謝するため、しっかり摂取しなければいけないビタミンB群が多く含まれているのは・・・
まず胚芽ですね!

炭水化物を摂る時は、代謝に必要なビタミンB群も含まれる玄米や胚芽米、麦やきびなどの雑穀、全粒粉パン、胚芽パンなど、胚芽つきの加工食品を積極的に利用すると良いでしょう。
また、ビタミンB群は豚肉にも豊富に含まれています。
あとオススメは卵かな。

 

 

 

 

 

さてこのようにエネルギーの材料には、主にブドウ糖が用いられますが、アミノ酸の一部(総エネルギーの12%前後)や、脂肪酸とグリセロールも用いられます。前に話しましたが、飢餓時には肝臓内のグリコーゲンをブドウ糖に分解したり、筋肉(タンパク質)を分解してアミノ酸に変えたり、皮下脂肪を分解して脂肪酸およびグリセリンに変えたりすることによって代用しているのです。

 

 

人間のカラダは本当によくできてますね〜。

 

 

みなさんなんとなくでも、人間のエネルギーをつくる過程を理解してもらえたでしょうか?
このTCAサイクルが十分機能しない場合、疲れやすい、集中力がない、身体が冷えるなどの症状が出やすくなります。
またうつ症状なども起こりやすくなります。
たとえば、低血糖や糖尿病で栄養分である糖がうまく取り込めないような時や、それ以外にもビタミンBやC、そして補酵素であるミネラルなどが不足してうまくこの反応が進まないときにも、エネルギー不足が起こり、身体の不調は起こります。

 

みなさん是非、人間の細胞が働くためのエネルギーを作るには、グルコース補給が安定していることや補酵素の役割が重要だということを覚えておいてください^^。

 

 

今日はここまでにしましょう。

 

 

次回をお楽しみに〜^^。

  

 

Thank you for reading to the end.

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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Written by

小菅一憲

Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science
AK Practitioner

国際基準のカイロプラクター
アプライドキネシオロジスト
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私は・・・
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Thank you for reading to the end.