BH4

メチレーション【その9】|MTHFRと葉酸回路について

メチレーション回路|副腎疲労blog

 

Summary:

 

⭐️ 葉酸回路とは?

⭐️ 葉酸には2種類ある!?

⭐️ MTHFRの遺伝子変異

⭐️ MTHFRのもう一つの働きとは?

 

 

みなさん、こんにちは。

 

 

 

副腎疲労専門カイロプラクティック

「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。

そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。

 

 

 

前回は、メチレーションに関わる酵素の遺伝子とその遺伝子変異によって起こる「アップレギュレーション」と「ダウンレギュレーション」についてお話しました。

 

前回のblog↓

 

 

 

今日からは一つ一つの酵素についてもお話を進めていきたいと思います。

さて、まず初めにお話するのは、なんといっても一番有名な酵素「MTHFR」についてです。

 

 

 

 ⭐️ 葉酸回路とは?

  

上の写真のメチレーション回路の図にもあるように、葉酸回路とは、3つの円があるうちの真ん中の回路。
ちなみに左隣の回路は「BH4回路」、右隣の回路は「メチオニン回路」と言います。

 

この葉酸回路は、一番上の「THF:Tetrahydrofolate(テトラヒドロ葉酸)」が「5,10 Methylen THF:5,10-Methylentetrahydrofolate(5,10メチレンテトラヒドロ葉酸」へ、さらに「5 Methyl THF:5-Methyltetrahydrofolate(5メチルテトラヒドロ葉酸)に変換される回路です。
そして、最終的に5MTHFは、THFヘ再変換されます。

さて、では今回のお話の中心「MTHFR:methylene tetrahydrofolate reductase(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)」は、どこに関わっているのでしょうか?

 

 

答えは、葉酸回路内の「5 Methyl THF」の産生に関わっています。

 5,10 Methylene THFは「MTHFR」酵素の力を借りて、「5 Methyl THF(5メチルテトラヒドロ葉酸)」んいなるのです。
詳しくお話すると、私たちは食事や健康食品・サプリメントなどから葉酸(folate またはfolic acid)を摂取したとします。その後、葉酸はビタミンB3の元で「DHF:dihydrofolate(ジヒドロ葉酸)」に変換されます。そしてさらにビタミンB3の力を借りて、THFまで変換されます。
THFは、ビタミンB6・P5P(活性型ビタミンB6)、セリンの力を借りて、5,10 methylen THFにまで変換されます。
最後に5,10 methylen THFが「MTHFR」によって「5 Methyl THF」になるわけです!

 

 

 

 ⭐️ 葉酸には2種類ある!?

  

さて、先ほど食事やサプリメントから葉酸を摂取するという話の中で、(folate またはfolic acid)と書きましたが、実は葉酸には2種類の葉酸が存在します。
一つは、folate(葉酸塩)。folateは、緑のお野菜や卵、豆などの天然の食べ物に含まれる天然の葉酸です。そしてもう一つは、folic Acid(葉酸)。こちらは、サプリメントや健康食品に入っている合成の葉酸のこと。小麦やコーンフレークなどに添加されていることもあります。

 

天然葉酸である「folate」は、体内に取り込み血流に入る前に、活性型の「5 Methyl THF(5メチルテトラヒドロ葉酸)」に変わります(体内では、この5 Methyl THFにならないと利用されません)。

 

しかし、合成葉酸であるfolic acidは、それ単体で活性型の5-メチルテトラヒドロ葉酸に変わるのには大変時間がかかります。そのため、代謝されない葉酸として血流に残ってしまうことがあり、健康を害するリスクが高まると言われています。
ある研究では、folic acidが、乳がんや大腸がんのリスクを高めたという報告もありますし、妊娠中の女性がfolic Acidを摂取することで、胎児の気管支の成長を妨げ、先天性の喘息を発症させるとする報告もあります。
これでは、先天性異常のために葉酸を摂取しても、元も子もありません。

元々、folic acidは、サプリメントや健康食品に使用されている化学物質です。そのままでは私達の体が活用できないため、一旦、肝臓によってメチル化される必要があります。
しかし、遺伝子によってはfolic acid のメチル化がとても苦手な人がいるのです。

そのため、実はサプリメントを飲んでいても、5 Methyl THFが作れず、葉酸欠乏に陥る可能性があるのです。

 

ちなみに日本ではサプリメントの全てがfolic acidですので、ご注意を。
海外ではちゃんとfolateや5 Methyl folateのようなサプリメントが売っています。

 

 

もう理解が早い方はわかりますよね。

 

この遺伝子によってというのが、「MTHFR」の遺伝子変異です。

 

 

 

 ⭐️ MTHFRの遺伝子変異

 

MTHFRの遺伝子変異が起こると、ダウンレギュレーションが起こります。
要は、MTHFRの機能が低下してしまうのです。
その割合は遺伝子変異によって変わってきますが、通常の人よりも5 Methyl THFが3分の2しか作れない、もしくは3分の1しか作れないなどが出てきます。

 

では、なぜ「MTHFR」が遺伝子変異を起こして、5 Methyl THFが作れないとまずいのか!?

 

 

これはさらに先をお話していく必要がありますが、メチレーション回路で、葉酸回路の右横に「メチオニン回路」があると思います。ここではメチオニンからSAMe(Sアデノシルメチオニン)を作り、このSAMeがメチレーションの中心的物質なのですが、SAMeが使われると最終的にホモシステインという物質が作られれます。

このホモシステインは、有害な物質なのでいくつかの経路で代謝されていきますが、その中でも重要とされるのが葉酸とB12を使ってメチオニンにリサイクルする経路です。
ここでは、5 Methyl THFがB12にメチル基を手渡しB12がMethyl B12になります。そしてこのMethl B12を使ってMTRやMTRRの酵素の元で、ホモシステインがメチオニンに変換されるわけなんですね。

 

 

 

遺伝的に5 Methyl THFを作るのが苦手な方は、ホモシステインが溜まりやすいわけです。

 

血液中で5 Methyl THFが欠乏したり、ホモシステインの濃度が高いと、心臓血管性の疾患(CVD)や加齢による認知機能障害のリスクが上がるとされて病院でもチェックされる項目であるぐらいなので、ホモシステインはあまり溜まってほしくない物質なわけですね^^。

 

 

 

 ⭐️ MTHFRのもう一つの働きとは?

 

さて、MTHFRの一番有名な働きが今お話してきた5 Methyl THFを産生するという働きですが、実はMTHFRにはもう一つ大事な働きがあります。

これは、葉酸回路の左側「ビオプテリン回路」において、BH2とBH4の変換に関わっているということ。
これ、とても重要なところなので、また次回お話しますが、MTHFRでもC677Tと3が葉酸回路の5 Methyl THF産生に関わっていて、A1298Cがビオプテリン回路に関わっているということを覚えておいてくださいね。

 

 

 

ではでは。
今日はここまでにしておきましょう!
また次回に^^。

 

 

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メチレーション【その7】|メチレーション回路の機能低下が引き起こす問題 その3

いろんな感情の仮面を持った4人の人達|副腎疲労blog

 

 

Summary:

 

⭐️ 神経伝達物質とメチレーションの深い関係

⭐️ 神経伝達物質の合成に必要な「BH4」

⭐️ ドーパミンやノルアドレナリンの代謝にもSAMeが必要!?

 

 

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ここ2回ほど、メチレーション回路がうまく回らなかった時に、起こる問題についてお話してきました。

DNAの合成がうまくいかなかったり、免疫機能が異常を起こしてしまったり、炎症が起こりやすくなることでアレルギーやLGS(リーキーガット症候群)に繋がったり、DNAサイレンシングが適切に行われないことでウィルスの慢性感染や重金属の蓄積が起こってしまったり・・・本当にかなり健康にとってとても重要な機能が失われてしまう可能性があることについて、お分かりいただけたかと思います。

 

 

前回のメチレーションに関する記事はこちら↓

 

 

 

 

今日は、最後に神経伝達物質のバランスのお話を・・・。
いわゆる脳内の大切なホルモンの代謝についての影響をお話したいと思います。

 

 

 

 ⭐️ 神経伝達物質とメチレーションの深い関係

  

脳内の神経伝達物質は、数多くありますが、中でも有名なのはまずアミノ酸のチロシンから作られる「ドーパミン」「ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)」「エピネフリン(アドレナリン)」などの興奮性のホルモンが有名かと思います。
これらはまとめてカテコール基を持っていることから、カテコールアミン(カテコラミン)とも呼ばれています。

 

そして、カテコールアミンのどちらかというと逆の作用を持っている、トリプトファンから作られる「セロトニン」や「メラトニン」というホルモンもありました。
これは、みなさんもご存知のようにリラックスするホルモンで、「インドールアミン」とも呼ばれています。

 

 

これらのホルモンは、自律神経とも関わっており、私たちの置かれている状況や環境、そして私たちの行動によって適切分泌されていること、そしてバランスよくコントロールされていることがとても大切です。

そして、もうお分かりですね!?

 

 

この神経伝達物質のバランスにも、とっても大事なのが・・・

「メチレーション」

というわけなんです。

 

 

まずチロシン→ドーパミン、トリプトファン→セロトニンを作っていく際にもBH4という物質が必要になりますが、これにもメチレーションが深く関わっていますし、ドーパミンやノルアドレナリンの代謝にはCOMTという酵素が関わっていますが、ここが代謝されるにもメチル基がとても大切になるのです。

 

 

 

 ⭐️ 神経伝達物質を合成するために必要な「BH4」

 

さて、メチレーション回路内で、神経伝達物質に関わる物質の一つが「BH4」です。

 

簡単にBH4について、ご説明しておきましょう!

さて、BH4とは何か。

 

 

正式には・・・Tetrahydrobiopterin:テトラヒドロビオプテリンと言って、中枢神経系のシステムには必須の物質です。
前述した、ドーパミン、ノルアドレナリンなどのカテコールアミンや、セロトニン、メラトニンなどのインドールアミンをアミノ酸から合成していく際に必要な酵素の共同因子になります。

下のメチレーションの図で見るとちょうど左から2番目のサイクルがBH4サイクルと言われています。

 

メチレーション回路の簡易図|副腎疲労blog

 

 

そして、下の図を見るとわかるように・・・

フェニルアラニンからチロシンを、そしてチロシンからL-DOPA(ドーパミンの前駆物質)を作る時、さらにはトリプトファンから5-HTP(セロトニンの前駆物質)を作る時にも、このBH4が必要なのがわかりますね。

 

BH4の簡単な代謝図|副腎疲労blog

 

そして、もう一つ大事なのが尿素回路でもBH4が必要ということ。

1分子のアンモニアの解毒には、2分子のBH4が必要になります。もし、アンモニアの解毒にたくさんのBH4使われれば、BH4は欠乏しやすくなります。
前述したように、BH4はドーパミンやセロトニンの合成に必要な共同因子でもあるので、もしBH4が欠乏すると適切に神経伝達物質が合成出来なくなるので、精神症状の原因になってしまいます。

 

 

さて、このアンモニアが過剰になる状況。

どんな状況が考えられるでしょう。
だんだんとメチレーションの深くまで入ってきましたが、まず大きいのはメチレーション内の硫黄転移経路にあるCBSという酵素の遺伝子変異です。この酵素にSNPsがあると、硫黄代謝物やアンモニアを過剰に作ってしまうので、こういった状況の大きな原因になります。

また、腸内環境の悪化も一要因になるでしょう。

これについてはまた別の機会で詳しくお話しますが、もし感染があるとBH4を合成していく際に、BH4の合成からネオプテリンの合成へシフトして免疫応答を上げていくので、BH4が作られづらくなってしまうということがあります。
結果的にとくに腸内で慢性感染の状況があると、BH4が長期で枯渇してしまうこともあるわけです。

 

 

 

 ⭐️ ドーパミンやノルアドレナリンの代謝にもSAMeが必要!?

 

さて、もう一つ神経伝達物質にメチレーションが深く関わる理由ですが、それはドーパミンとノルアドレナリンの代謝にメチル基が必要ということです。

 

通常、これらのカテコールアミンの代謝に必要なのがCOMTという酵素です。
そして実はこのCOMTがしっかり働くのに大切なのが、メチル基というわけ。
メチル基がCOMTにくっ付く事で、ドーパミンやノルアドレナリンを代謝出来るんですね。

 

メチル基を提供するのは、もうメチレーション内ではお馴染みのSAMe(S-アデノシルメチオニン)です。SAMeは、とても活発なメチル供与体で、生体内の様々な物質にメチル基を供給しています。もしメチレーション回路の機能低下によってSAMeがしっかり作られなかったら、どうなるでしょう?

そうなんです。

ドーパミンやノルアドレナリンが不活性化出来なくなります。
これは直に、うつ病や精神疾患、子どもだとADHDや神経細胞のダメージに繋がります。

 

SAMeについてはこちら↓

 

いやぁ、メチレーション大切ですね。

 

 

 

少しずつメチレーションの深いところまで入ってきましたね^^。
今日はここまでにしましょう。

次回もお楽しみに!

 

 

 

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副腎疲労症候群とは 【その7】|ストレスを感じて副腎がホルモンを作る仕組み

いろいろなストレスで頭を抱える男性|副腎疲労blog

 

Summary:

 

⭐️ 副腎からのホルモン分泌はすべて脳からの命令によって行われる!?

⭐️ ストレスを感じて、副腎からホルモンが分泌されるまでの面白い仕組み

⭐️ アドレナリンとノルアドレナリンの違いってどんなもの?

⭐️ カテコールアミンを分解してくれる酵素と腸の驚きのつながり

 

 

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副腎はもうみなさんもご存知の通り・・・

 

 

ストレスの腺

 

 

と言われていて、私たちが受けるありとあらゆるストレスに対して、身体を守る仕事をしています^^。

 

 

 

 

そのストレスから身を守る時にとても大切な「コルチゾール」というスーパーホルモンや「アドレナリン」という闘争のホルモンなど・・・50種類以上ものホルモンを分泌している臓器と言われています。
今までこのホルモンの話をしてきましたが、身体の中ではどういう仕組みでこれらのホルモンが分泌されるのでしょう?

コルチゾールの話↓

アドレナリンなどカテコラミンの話↓

 

 

 

⭐️ 副腎からのホルモン分泌はすべて脳からの命令によって行われる!?

 

実は、ホルモンの分泌は、すべて脳からの指令によって行われているんですね〜。

 

脳には、ホルモンの総司令部である「 視床下部 」と実際司令を出している司令官でもある「 下垂体 」があります。
視床下部は、身体のセンサー的な役割もしていて、今現在身体がどういう状況に置かれているか、またホルモンはどれだけ分泌されているかなども感知しています。そしてその総司令部の「視床下部」からの連絡が下りてくると「下垂体」が各臓器へ実際の司令を送るわけなんです。

 

 

そんなことから脳の視床下部が障害されると、副腎のコルチゾールリズムに問題を起こすということもあります。

 

 

 

さて、ではこのストレスの腺である「副腎」。

ストレスがかかると、実際はどのような流れでホルモンを分泌しているのでしょう。

 

 

 

⭐️ ストレスを感じて、副腎からホルモンが分泌されるまでの面白い仕組み

 

まず、何かしらのストレスがかかると・・・

例えば・・・

 

 

 

職場の上司から「今週までにこの仕事仕上げておいてくれ」と言われた。

とても大変もしくは嫌な仕事を、忙しい時に急に頼まれてしまった・・・

 

旧知の友人から「結婚式でスピーチを頼まれてくれないか」と言われた。

人前でしゃべるのは大の苦手なのに、大切な友人だから断われない・・・

 

大切な試験・面接が明日に迫って、そのことで頭がいっぱい。

何ヶ月もこの試験のために準備をしてきた、この試験にパスできないと・・・

 

  

 

 

こんな時、普通の人なら

「ストレス」かかりますよね〜。

 

 

  

何となくイメージできましたか?
人によってはストレスとは感じていなくても、何かしらのプレッシャーはかかってくるはずです。

 こんな時、そういったストレス、プレッシャーが脳の大脳皮質というところで感知されると、2つの系が活性化されます。

 

 

ストレスによるHPA-Axisの仕組み|副腎疲労blog

 

1つは皆さんもよくご存知の交感神経系です。

交感神経が活性化されると、神経末端からは「ノルアドレナリン」が分泌され、副腎髄質からは「アドレナリン」が分泌されます。

 

 

 

そしてもう一つはストレスの感知を受けた「視床下部」が下垂体を通してホルモンの分泌を促すルートです。

こちらは、HPA-axis(Hypothalamus – Pituitary – Adrenal axis) と言われています。ご説明すると先ほどのストレスを感知した視床下部(Hypothalamus)からコルチコトロピン放出ホルモン「CRH」(Corticotropin Releasing Hormone)を分泌し、それが下垂体(Pituitary)に。

そして、下垂体からは、副腎皮質刺激ホルモン「ACTH」(Adrenocorticotropic Hormone)され、それが副腎皮質に作用して、最終的に副腎皮質から「Cortisol」(コルチゾール)が分泌されます。

 

 

ストレスを感じて副腎がホルモンを作る仕組み|副腎疲労blog

 

大脳皮質

ストレス感知

視床下部  hypothalamus

CRH:コルチコトロピン放出ホルモン分泌

下垂体  pituitary

ACTH:副腎皮質刺激ホルモン分泌

副腎皮質  adrenal

コルチゾール分泌

 

 

 

 

このような各器官の頭文字を取った「HPA-axis」によって、ストレスを感知してから、脳からの司令によって副腎はコルチゾールを分泌しているわけなんです!

 

 

 

⭐️ アドレナリンとノルアドレナリンの違いってどんなもの?

 

さて、こちらのHPA-axisの他に、交感神経系も活性化されると先にお話ししましたが、これは視床下部が自律神経の中枢だからでもあるのですが、視床下部がストレスを感知すると、その司令は交感神経からも副腎に伝わります。そうすると副腎髄質からアドレナリンが分泌されることになります。

一方、ノルアドレナリンは脳内と交感神経の末端から分泌され、脳に強い影響を与えていると言われています。

 

 

 

アドレナリンとノルアドレナリンは、同じく興奮性の神経伝達物質で身体の危機に対して、臨戦態勢を整えてくれる作用を持っています。

 

 

 

混同しやすいと思うのですが、どう違うのか気になりますよね・・・。

 

 

それは、これらのホルモンの生成過程を見ていくとわかりやすいと思います。
以前のblogでアドレナリンとノルアドレナリン、これにドーパミンを加えてカテコールアミンもしくはカテコラミンと呼ぶことはお話ししました。
これらの「カテコラミン」は全てチロシンと言うアミノ酸を原料として作られます。

 

 

 

 

交感神経終末において、チロシンが取り込まれ、神経細胞内で「チロシン」から「DOPA(3,4-ジヒドロオキシフェニルアラニン)」が作れます。
その後、さらにドーパミンが生成され、次にノルアドレナリンの順で生合成されていきます。
そして最終的に交感神経終末から放出され、私たちの神経系に作用していきます。

 

さて、ではアドレナリンはどうかというと、このように交感神経内でドーパミンを経て合成されたノルアドレナリンが、副腎髄質に到達して「フェニルエタノール-N-メチルトランスフェラーゼ(PNMT)」という酵素によって初めてアドレナリンに合成されます。

フェニルエタノール-N-メチルトランスフェラーゼ(PNMT)は、ノルアドレナリンのアミノ基にメチル基を付加して、アドレナリンを生合成していきます。この時メチル基のドナーとしてS-アデノシルメチオニン(SAM)が必須の補因子となります。SAMについてはとっても大切なので別途お話ししますね。
この酵素は副腎髄質に多いため、副腎髄質でアドレナリンが合成されているとされていますが、心臓や脳幹にも存在すると言われています。

 

 

 

副腎髄質では、アドレナリンが約80%、残りの大部分がノルアドレナリン、そしてわずかにドーパミンが分泌されます。
要は、アドレナリンに合成しなかったノルアドレナリンもここで分泌されるということなんですね。

 

 

 

 

いやぁ・・・難しい話が続きましたが、こうやってアドレナリンが作れられるとアドレナリンは体内を巡って各臓器に興奮系のシグナルを送ります。
逆にノルアドレナリンは主に交感神経内で作られますが、主に脳内に作用し、私たちの思考や意識を活性化します。

副腎髄質は、交感神経の大きな塊と考えても良いかもしれません。
それもそう、副腎髄質の起源は、交感神経節後神経に相当する神経組織で、解剖学的にも交感神経節と同等の組織であり、多量の交感神経節前線維が侵入する臓器でもあるのです!

 

 

 

 

ちなみにこのノルアドレナリンからアドレナリンへの変換は、糖質コルチコイド(コルチゾール)によっても促進されます。
ということはストレスがかかると交感神経系とHPA-axisのダブルの経路でアドレナリンの合成・分泌が進められるんですよね〜。

 

 

アミノ酸からカテコラミンが作られる経路図|副腎疲労blog

 

面白いですよね〜。

 

 

  

 

アドレナリンとノルアドレナリンが合成される過程、そして違いはこのようになっているのです。

 

ちなみに上図で Epinephrine(エピネフリン)や Norepinephrine(ノルエピネフリン)と書いてありますが、これはアドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)のことです。
一般的には、アドレナリンやノルアドレナリンと呼ぶことが多いですが、医学的には副腎髄質ホルモンとしてエピネフリンやノルエピネフリンと呼ぶんですよね〜。

 

 

 

⭐️ カテコールアミンを分解してくれる酵素と腸の驚きのつながり

 

さて、そしてもう一つ大事なのが、このカテコールアミンが不必要になった時に不活性化される仕組みです。
そりゃあ、いつまでも興奮しっぱなしじゃ疲れちゃいますよね。

それこそ、怒りっぽくなったり、イライラしたり、うつ病になっちゃいます。 

これらのカテコールアミンである、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンは、「モノアミン酸化酵素(MAO)」や「カテコールーOーメチルトランスフェラーゼ(COMT)」によって代謝され、不活性となり、最終代謝産物は尿で排出されます。

 

 

よく有機酸検査(尿検査)によってこの代謝物を見ることがあるんですが、これはカテコールアミンの生成バランスを見ているんです。

 

メチレーションにおけるBH4サイクルの図|副腎疲労blog

 

ちょっと前の記事でもお話ししましたが、これらの酵素はお腹(腸)の状態が悪いと働かないので、実はとても腸内環境と関わっているんです。

腸内環境が悪いとこれらの興奮生ホルモンであるカテコールアミンはうまく代謝されず、残ってしまう。
ということは、お腹が悪いと情緒不安定やイライラ、怒りっぽい、うつ病、不安感などにつながることがなんとなくわかってきますね〜。

 

 

 

 

大分話が大きくなってきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

 

最後に・・・

 

特に副腎から分泌されるスーパーホルモンである「コルチゾール」は、視床下部→下垂体→副腎皮質が連携する(司令だけでなく、フィードバックももらいながら)ことで、その適切な分泌量を見極められながら、細かくコントロールされているのです。

心身的なトラブルは視床下部に影響し、それによってコルチゾールの分泌は大きく影響を受けます。

 

 

これこそが、HPA-axisの仕組みなのですが、脳の視床下部にダメージがあると細かい分泌調整のシステムに機能低下が起こり、ホルモンバランスを崩しやすくなります。
視床下部がダメージを受ける原因には、脳の障害や外傷、DVやセクシャル被害、度を超えたストレスなどがあると言われますが、こういった視床下部のダメージは、慢性疲労症候群、線維筋痛症、そして原因不明の病気に深く関連しています。

 

 

 

いやー毎度のことながら、やっぱりストレスって怖いですね。

なんか前回もこの言葉で終わった気がする。笑。

 

ではまた次回に^^。

 

 

 

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カイロプラクティックは、薬は使わず手だけで身体の治療をするアメリカ生まれのヘルスケアです。

みなさんに知られているような筋肉骨格系の治療はもちろん、カイロプラクティックの中の一つの学問アプライドキネシオロジー (AK)では、自律神経や内臓、ホルモン、神経、栄養のアンバランスをチェックし、それに対する治療を行うことができます。

アメリカではまさしくプライマリーケアとして認められ、準医師として統合医療の一翼を担っています。

カイロプラティカは、日本では唯一の副腎疲労専門カイロプラクティックです。 
また、患者さまのお身体に合わせた正しい栄養療法を行うことが出来る数少ないクリニックです。 
アメリカやオーストラリアのAKのオフィスでは、サプリメントを使った栄養サポートは日常的に行われており、当院でもAKを使って身体の状態をチェックし、どの内臓器が弱っているか、どういった栄養素が必要であるかを判断することで、カイロプラクティック治療はもちろん、原因に沿った栄養指導を行っています。  

Thank you for reading to the end.  

 

副腎疲労症候群とは 【その7】|アドレナリンとセロトニン、そして腸の関係

腹痛でお腹を押さえる女性|副腎疲労blog

 

Summary:

 

⭐️ アドレナリンが過剰に分泌されると副腎を疲れさせてしまう!?

⭐️ 腸が良くなれば、副腎疲労の大半の人が良くなる!?

⭐️ アドレナリン、セロトニン、そして腸の蠕動運動。ホルモンと腸の密接な相互作用とは?

⭐️ Gut Brain Connection(腸脳相関):ストレスと腸の関係について

 

 

みなさん、こんにちは。

 

 

 

副腎疲労専門カイロプラクティック

「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。

そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。

 

 

 

さて、ここ数回、副腎髄質というところから分泌される、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンに代表されるような「カテコールアミン(カテコラミン)」について、関連する症状にも触れながらお話してきました^^。

ここ数回のblogはこちら↓




 

 

 

⭐️ アドレナリンが過剰に分泌されると副腎を疲れさせてしまう!?

 

これらのホルモンは、自律神経でも交感神経を活発にして、私たちが活動しやすいようにしてくれていたり、生理作用をコントロールしてくれています。
また闘争のホルモンと言われるように瞬時の危機に対して対応したりするときにも活躍します。
私たちが日中、働いたり、歩いたり、走ったりはもちろん、頭でいろいろと考えているときにも必要不可欠なホルモン・神経伝達物質と言えますね。

 

しかし、適量分泌されていることがとても大切で、分泌過剰になると我らが副腎を疲れさせてしまいます。

 

 

副腎は、その名「Adrenal Gland」の通り、アドレナリンを分泌する臓器でもあり、アドレナリンを過剰に分泌しながら、身体を無理に働かせるもしくは酷使している状態は、副腎に負担をかけますし、長くは続きません。

また、実は副腎が疲れている状態「副腎疲労」であるのに、アドレナリンを分泌するとある程度は活発に動けてしまうので、アドレナリンを過剰に分泌することで副腎疲労の状態を隠してしまい、自分が疲れている(副腎疲労の状態である)ことに気づけていない方も少なくないんですよ〜。ほんと。

 

 

 

そして、これら興奮性ホルモンの逆の作用を持つホルモン「セロトニン」がバランス良く分泌されていることが何より大切なことでもあります。

セロトニンは、気分をリラックスさせ、副交感神経を優位にさせることで、身体を休息させてくれます。
そして、セロトニンを材料にして作られる「メラトニン」というホルモンは、睡眠を誘い、質の良い睡眠をとることで副腎を休ませてくれます。

 

 

 

 ⭐️ 腸が良くなれば、副腎疲労の大半の人が良くなる!?

  

それで!

 

今日は、この「アドレナリン/セロトニン」と実は密接なつながりがある「お腹」との相互作用についてお話していきたいのです!
ここ、とっても大事なところなので、しっかりと頭の中に入れておいてくださいね^^。

 

 

 

副腎疲労の方は、お腹に何かしらの問題を持っていることがとても多くて・・・ほとんどの人(それはもう90%以上の人)に便秘や下痢、軟便そして腹部膨満感の症状があります。
気づいている方もいらっしゃるかもしれませんが、お腹を治してあげることが副腎疲労を回復させていくのに一番のポイントと言っても過言ではないかもしれません。

私も、治療でとくに重要視をしているのが「腸」であります!

  

 

 

もう・・・

 

「腸」が良くなれば、副腎疲労の大半の人が良くなるんじゃねぇの?

 

 

  

と言っても良いぐらいね。
(もちろん、それだけではない人もいらっしゃいますが・・・。腸のアプローチだけで良くなる人もたくさんいらっしゃいます)

 

 

 

⭐️ アドレナリン、セロトニン、そして腸の蠕動運動。ホルモンと腸の密接な相互作用とは? 

 

さて、今日の話は、「アドレナリンやセロトニン」と「腸」との関わり・・・。

 

 

実は、副腎疲労の方に多い「便秘」 や「下痢」、そして「腹部膨満感」「腸内環境(腸内フローラ)の悪化」の背景にいわゆる「アドレナリンラッシュ 」と呼ばれるアドレナリンの過剰分泌があることがとっても多いんです。
「アドレナリン」は、腸の動きに深く関わっていて、正常に分泌されていることがとても大事になります。アドレナリンというと血流や血圧を上昇させたり、緊張や興奮するときに分泌されるイメージがあると思いますが、腸管の筋肉、いわゆる平滑筋を緩めるために腸にも分泌されるホルモンなんです。

 

 

 

実は・・・

 

 

アドレナリンが分泌されると腸管の筋肉が緩むことで、腸の蠕動運動が低下していきます。

 

 

蠕動運動が低下すると食べ物や便の移動がゆっくりになり、それに伴って細菌の異常繁殖が起こってきます。
こういった流れからアドレナリンは、腸内のバクテリアの繁殖を促す作用を持つと言われ、大腸菌やウェルシュ菌、サルモネラ菌などの繁殖が旺盛になることで、小腸内でのガスの発生にもつながります。
これが、腹部膨満感の原因にもなり、このように小腸でバクテリアが異常繁殖することを「SIBO」と呼んでいます。

SIBOについては大事なテーマでもあるのでまた別の日にでもお話していきますが、アドレナリンの過剰分泌によって腸内の菌バランスが崩れてくると、体調にも大きく影響が出てきます。

 

 

その一つが、バクテリアが増殖のために鉄分を好んで摂取するということでしょうか。

宿主の鉄分をどんどん略奪していくことで、その方が「鉄分不足」「貧血」に陥ることと容易にリンクしていきます。またこういった状態が長期に続くと深刻な状況にもなりかねません。

 

 

 

  

逆に「セロトニン」はどうかというと・・・

 

 

セロトニンの90%は腸で分泌されると言われ、腸の蠕動運動を促してくれます。 

 

 

蠕動運動は、胃酸や消化酵素をしっかり分泌して、食べ物を混ぜ合わせたり、先へ先へ送りながら、消化を進めていくために重要なもので、セロトニンはそのためにとても重要な働きをしているというわけです。
小腸内では、蠕動運動がしっかり行われることで、食べ物が一箇所に留まることなくどんどん先へ進み、腸管の掃除の役割も果たしています。またそういったことが正常に行われることが細菌の繁殖を予防しているとも言えます。

それもそう、正常な働きをしている小腸内には細菌はほとんどいないのです。
大腸に比べるとかなり少ない菌の数です

 

 

 

もちろん、セロトニンも過剰に分泌されると、腸管の筋肉を異常に収縮し、腹痛を作るとも言われています。
セロトニンが少なすぎたり、逆に過剰過ぎたりすることで、よく言われる「過敏性大腸炎(IBS)」の原因にもなることがあります。
便秘型のIBS「C-IBS」の方は、蠕動運動が遅く、セロトニンを作る能力が著しく低かったり、逆に何かしらの原因からセロトニンが過剰に分泌されてしまい、下痢型のIBS「B-IBS」につながっていることもあります。

過敏性大腸炎についてもまた後日しっかりお話できたらと思います・・・。

 

 

さてこのようにこれらのホルモンは・・・

 

 

 

アドレナリン → 腸管の蠕動運動を低下させる。

セロトニン  → 腸管の蠕動運動を促す。

 

 

 

この相反する働きによって、腸の働きに影響を与えていることがお分かりいただけたでしょうか。

 

さらに言うと、このホルモンのバランスによっては、

 

 

腸内環境(腸内フローラ)を著しく変化させてしまう!

 

 

とも言えます。

 

 

 

 ⭐️ Gut Brain Connection(腸脳相関):ストレスと腸の関係について

 

今日はもう一つ触れたいのですが・・・

 

逆の観点から見ていくと・・・
何かしらの原因で、腸内環境が悪化し、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が少なくなり、大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌はもちろん、カンジダ菌に代表されるようなイースト(新菌類)が増殖しているような場合。

 

腸内では必ずと言って良いほど、炎症が起きています。 

 

 

 

そして、この状況下においては・・・

 

1つ目に!

ドーパミンやノルアドレナリン、アドレナリンなど「カテコラミン」と呼ばれるホルモンの代謝に必要なCOMT(カテコールメチルトランスフェラーゼ)という酵素の働きが悪くなります。

 

2つ目に!

トリプトファンからセロトニンを作るパスウェイになかなか行かなくなる、そして・・・トリプトファンから神経毒性のあるキノリン酸を作るパスウェイに行ってしまう。

 

3つ目に!

トリプトファンからセロトニン、チロシンからドーパミンを作る時に必要なBH4(テトラヒドロビオプテリン)が少なくなることで、BH4回路がうまくまわらず、これらの神経伝達物質を適切に合成することができなくなってしまう。

 

こういうことが起こります。

 

 

 

副腎疲労の方は、このパターンがひっじょうに多い!

 

体内の代謝状況を検査する「有機酸検査」の結果を見ると、腸内環境が悪化している方はほとんど、この脳内神経伝達物質の代謝がうまくいってないんです!
中にはアドレナリンやノルアドレナリンはもちろん、セロトニンも作れなくなっていて、必要な時にこう言った神経伝達物質が作れないことで、頑張りがきかなかったり、集中力が続かなかったり、精神不安定になりやすかったり、良い睡眠が取れなかったり、そういうことになりやすい。

そして、セロトニンだけ減っているケースの方もとても多く、鬱や精神不安ともとても関連していますね。

 

 

 

 

Gut Brain Connection

腸脳相関

 

 

 

とは、よく言われますが、ほんとまさに!ですよね^^。

 

腸と脳は密接につながっていて、相互に影響し合っている。

 

 

 

今回の話で、腸と脳が「副腎」を介しながら、身体の奥底でこんな風に関連し合っているということが深く理解出来たのではないかと思います。

 

 

ストレス・・・

 

 

ストレスってこう考えていくと、神経伝達物質を通して精神状態に影響を与え、神経伝達物質が過剰に分泌されることで、腸内環境をも悪化させる。
そして、そのことが全身的な症状につながる。

 

そんなことがわかっていただけたのではないかと思います。
いやーやっぱりストレスって怖いですね。
気をつけましょう。笑。

 

ではまた次回に^^。

 

 

 

Thank you for reading to the end.

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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Written by

小菅一憲

Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science 
AK Practitioner

国際基準のカイロプラクター
アプライドキネシオロジスト
健康栄養指導士
野菜ソムリエ  

私は・・・ 
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