副腎機能と消化器系はとても関わりがあります。また低血糖症や食物アレルギーに関しても同様です。慢性的にストレスがある状態の時には、リンパ系が萎縮します。副腎疲労に伴う免疫機能の低下と共に胸腺(免疫に関わる臓器)の機能と大きさは減少し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状が進行する傾向にあります。またこのような慢性的なストレスのケースでは、副腎の状態は抵抗期に入りコルチゾール産生の増加は継続します。コルチゾールとDHEA産生のためのプレグネノロン(ホルモンの一つ)が不足するまでストレスが持続する場合、コルチゾール:DHEA比の上昇が起こります。
DHEA減少は免疫システムの効力を減退させ、腸管障害を誘発させることで腸管の透過性障害と生体不全を発達させてしまうのです。

 

1.胃

胃の塩酸分泌は、食物を消化分解するのにとても重要です。塩酸バランスに問題がある時、大抵の場合は、塩酸の減少もしくは欠乏の状態のことが多いのです。人間は年齢と共に塩酸レベルが減少しますが、胃酸過多と胃酸減少の症状は、似ているところもあり、大抵病院で胃酸過剰と診断されていても実際は減少しているケースが多いのです。
副腎疲労においても、初期では胃酸の分泌が促進されることもありますが、次第に胃酸分泌は低下傾向になります。また低血糖症や食物アレルギーにおいても胃酸の分泌は低下していることが多く、それによる消化不良が起きます。
こういったケースでは、逆流性食道炎も多くみられ、食物アレルギーや低血糖症の多くで、食道括約筋や食道裂孔ヘルニアの問題が併発していることが多いのです。

 

2.膵臓

消化の過程においては、膵臓は消化酵素を生成しています。特に低血糖症のケースでは膵臓の疲弊が見られるため、膵臓酵素が欠乏しているかもしれません。膵臓酵素が欠乏していると、食後数時間でガスや下腹部の膨満感が起こることも多々あります。この場合消化酵素を必要とする場合があります。

 

3.小腸

副腎機能低下症では、腸管壁の透過性が高くなり、LGS(リーキーガット症候群)を引き起こしやすくなります。腸管の透過性が高くなると、食物アレルギーが誘発され、腸で炎症が継続します。またこういった場合、大抵、腸内細菌のバランスが崩れ、カンジダ菌などの真菌類が繁殖することでカンジダ菌症が併発することも多くあります。
また腸管がアルカリ性に偏ることで、回盲弁(小腸と大腸の間の弁)の機能も低下し、さらなる問題を引き起こします。小腸機能不全の時には回盲弁の治療を必要とすることがよくあります。

 

4.大腸

大腸は、繊維質欠乏や腸内細菌のアンバランスなど、乏しい食生活によって悪影響を受けます。特に副腎機能低下や低血糖、食物アレルギーでは消化障害が起こるため、便秘や下痢が起こりやすく、過敏性大腸炎やクローン病、潰瘍性大腸炎なども起こりやすいでしょう。