副腎疲労または副腎機能低下症、これらは現代では本当によくみられる疾患の一つと言えます。
最近日本でも耳にすることが多くなった慢性疲労症候群(CFS)、突発性低血糖症、慢性不眠、心労性神経機能低下症なども副腎機能低下症に包括されるくらい、現代人に大きく関わる疾患なのです。副腎はストレスや免疫機能と密接な関係があり、まさに現代人の置かれている環境に影響を受けやすい臓器と言えるでしょう。
「眠らない社会」と評されるように、現代社会では24時間、体にかかるストレスが多く、体の恒常性を保つために副腎が休養することなく稼動しているため、その果てに副腎自体が恒常性を失い、体のバランスを維持できなくなることで副腎が疲労状態に陥ります。
さてでは、副腎にかかる負担とはどのようなものがあるのでしょう?
副腎は非常に繊細な臓器とも言えます。些細なことでも予想以上のストレス負担を受け、それが慢性的に継続したり、突発的に何かが起きることによっても想像以上に負担となり、徐々に症状が慢性的になります。副腎の負担からくる症状のやっかいなところの1つは、今まで全く普通に生活・仕事ができていたのに、ある日突然にドーンと症状が現れることです。
副腎への負担からくる症状を予防するためには、日常生活のチェックとその改善が一番です。
副腎への影響となる主な要因を挙げると・・・・
・重金属
・化学物質
・アレルギーを起こす原因物質
・過労
・喫煙
・睡眠不足
・早食い
・精製糖、精製漂白小麦の頻繁な摂取
・運動不足
・薬の継続服用(特に抗生物質、ステロイド剤)
・腐敗した食材の摂取
・カフェインの頻繁な摂取
・恐怖心
・不安
・恒常的な緊張
・肉体的ストレス
・親族友知人の死
・ウィルスや細菌の感染
・多量、頻繁な飲酒
・ジャンクフード、ファーストフードの頻繁な飲食
これに加えて生活習慣病といわれているような糖尿病、高血圧、高脂血症、そして低血糖症、慢性疲労症候群、花粉症など、持病として抱えている症状のストレスも副腎には大きな負担となります。実際には、副腎にかかる負担が慢性化し継続することでこれらの病気が発生することも少なくありません。
ハンス・セリエの“The stress of Life”から副腎と健康の関係を知ることができます。ここでも副腎は最も機能障害がよく見られる器官の一つと言われ、前述したような身体的、科学的、感情的ストレスなどにより影響を受けます。これらのストレスは形式に関わらず、副腎に負担をかけるのです。
こうやって副腎に負担をかけるものを見ていくと、明らかに現代になって増えてきたものばかりのような気もしますね。
交通も便利になって、食事も多様性が出てきましたが、その分病気が増えている現実。
もしかしたら、その答えはここにあるのかもしれません。