砂糖の過剰は、いくつかの理由からマグネシウム欠乏の原因となります。

 

精製された加工糖は、ビタミンやミネラルが一切なく、カロリーだけのものです。エイブラム・ホッファ博士やライナス・ポーリング博士による栄養学的研究によれば、砂糖の精製により、93%のクロム、89%のマンガン、98%のコバルト、83%の銅、98%の亜鉛、そして98%のマグネシウムが除去されてしまうとされています。
これらはいずれも生体には必須のミネラルで、また砂糖の消化をするのに、身体は自分の中にあるビタミンやミネラルを使うことになるのです。
また砂糖を使った食事を摂ると身体が酸性に傾きます。それを中和しようと身体はアルカリ性ミネラルであるカルシウムやマグネシウム、カリウムなどを取り出すことになるのです。

 

低血糖症では、砂糖や精製された炭水化物を摂りすぎることによってインスリンが大量に動員されます。インスリンの仕事は、細胞膜上の所定部位を開いて、細胞の燃料に元になるブドウ糖を細胞内に取り込ませることですが、この時にマグネシウムが必ず必要になります。インスリンが膵臓から分泌されると、通常細胞内のマグネシウムが反応し、細胞を開いてブドウ糖を取り込ませます。
こういったことから、血糖値の急上昇とそれに伴う大量のインスリン分泌は、マグネシウムを過剰に使用することになるのですね。

マグネシウムが不足してくると、細胞がインスリンに応答しなくなります。これこそがインスリン抵抗性を持った細胞なのですが、こういった状況になると糖分が細胞に取り込まれず、血糖値が下がらず上がったままなので、インスリンをますます作り出し、それによるマグネシウムの無駄使いが起こります。そして最終的には糖尿病へと移行するわけです。

 

「マグネシウム」は体内の生化学的反応にかかわる酵素の働きを助ける「補酵素」として多くの酵素が必要とするミネラルです。現在までにわかっているその酵素の数は実に325種類もあります。こうなると、マグネシウムは身体の中で一番必要度が高いミネラルと言っても良いでしょう。マグネシウムが不足すると、心臓病や高血圧が起こりやすくなったり、血管性の病気(脳卒中や心筋梗塞)や慢性疲労症候群、繊維性筋痛症、頭痛、うつ病、不安神経症、PMS、不妊症、骨粗鬆症、喘息などとも関連してくるので、マグネシウムの重要性は、本当に計り知れません。