SNPs

メチレーション【その4】|メチレーションに問題を起こす!?遺伝子の突然変異「SNPs」

DNAの螺旋構造を示した写真|副腎疲労blog

 

Summary:

 

⭐️ 遺伝子とDNAを知ろう!

⭐️ 遺伝子の突然変異「SNPs」

⭐️ メチレーションに関わる遺伝子検査

 

 

みなさん、こんにちは。

 

 

 

副腎疲労専門カイロプラクティック

「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。

そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。

 

 

 

今日は、メチレーションの話をさらに進めて、遺伝子の変異である「SNPs」についてのお話をしたいと思います。

 

遺伝子は、メチレーションで働く酵素の機能を暗号化しています。
もしも、何かしらの突発的な変異によって遺伝子が違うアミノ酸を暗号化してしまうと、その酵素の機能に影響を与えてしまいます。
もっと具体的に言うと、酵素の働く機能を暗号化している遺伝情報に、正常なヌクレオチドとは異なるものを持っている場合、その状態をSNPs(Single Nucleotide Polymorphism)と言い、酵素の働きに異常が起こってしまうことで、何かしらの代謝異常が起こる可能性があるということです。

 

 

前回のメチレーションに関する記事はこちら↓

 

 

ちょっと難しい言葉も出てきたので、まずは遺伝子というものについて簡単にご説明しましょう!

 

 

 

 ⭐️ 遺伝子とDNAを知ろう!

  

さて、みなさん。
まず遺伝子とは何でしょう?

 

 

 

遺伝子とは、私たちの身体の作り方を記した「情報」と考えていただければ良いかと思います。

そしてDNA(デオキシリボ核酸:deoxyribonucleic asid)とは、その情報をまとめて載せている「紙や書類」のようなもの。さらに言うと、よく聞く「染色体」というのは、DNAとたんぱく質で作られていて「紙や書類」をさらにまとめて整えた「本」のようなものです。

 

 

 

ちなみに冒頭で出てきた「ヌクレオチド」というものは、DNAを構成している成分です。

 

ヌクレオチドの構造|副腎疲労blog

(ネットより)

 

ヌクレオチドは「リン酸」+「糖(デオキシリボース)」+「塩基」で出来ていて、このヌクレオチドが縦に繋がり連なっているものを「ヌクレオチド鎖」と言います。
そして、このヌクレオチド鎖が、2本向かい合わさるように並び、塩基同士が結合して螺旋状になっているものがDNAなのです!

 

 

 

 ⭐️ 遺伝子の突然変異「SNPs」

 

みなさん、メチレーションの図を覚えているでしょうか?

 

メチレーション経路図|副腎疲労blog

 

これです。

 

このメチレーションの図の中で、いろいろな色がついた英語の文字があると思います。
ACATとか、MTHFRとか、MTRとか、CBSとか、COMTとか・・・・

これらはいわゆるメチレーションを回すための大切な酵素なんですが、冒頭の説明にもありましたように、この酵素の働きを暗号化した情報に、突然変異によって違ったヌクレオチドが使われてしまうと、この酵素の働きに異常が起こってしまいます。

 

 

この遺伝子の突然変異のことを「SNPs(スニプス)」と呼びます。

 

「SNPs」はその方の遺伝的な変異なので、変わることはありません。
そしてここがとても大事なのですが「SNPs」によってその酵素の活動性の異常が起こるのは、低下する側にも更新する側にもなるということです。

 

 

例えば、メチレーションの中でも有名な「MTHFR」は葉酸を代謝する酵素ですが、この「C677T」(これはDNAのCからTへの変異のある677部位を見ています)に変異があった場合、葉酸をメチル葉酸に変えるための「MTHFR」の活動性が低下するので、人よりメチル葉酸を作れる量が少ない、作るのが苦手ということになるわけです。

また「MTR」の「A2756C」でSNPsが起こっていた場合、この酵素「MTR」の活動性が増加し、過活動になってしまうので、通常よりビタミンB12の必要量が増します。
こういったケースでは、より「B12」やB12を細胞に輸送するための「リチウム」などの必要性が増すということになります。

 

 

 

⭐️ メチレーションに関わる遺伝子検査

 

このメチレーションの酵素のSNPsを調べる遺伝子検査があります。
30ほどの遺伝子の変異が調べられます。

 

 

私たちは、遺伝子のコピーを各両親から1つずつもらい、2つのコピーを持っています。

この検査結果において、2つのコピーが同じであれば、それは同型と言われ、( + / + )もしくは( − / − )で表示されます。( − / − )は、遺伝子の変異はなく全く問題のない状態です。逆に、両方とも特別な変異がある場合にホモ( + / + )と表示されます。

また、片側だけ(片親からもらった)遺伝子に変異がある場合は、ヘテロ( + / − )と表示されます。

 

 

もし、2つの変異を持っていた( + / + )とすると、その影響は1つの変異( + / − )よりもっと顕著に現れるかもしれません。
しかし、特定の変異を持つことが、常に特定の活動(遺伝子により制御される)を阻害することを意味するわけではありません。

たとえ変異があったとしても、可能性のある問題領域を表示する指標であると考えてください。
変異を持っていても全く問題なく生活している人もいますし、問題を起こす人もいます。

その問題は、いくつかの弊害が重なることで兆候として現れることになります。

 

 

 

ちょっと難しいのですが、遺伝子の変異「SNPs」は誰にでも起こることであり、たとえ変異があったとしても、身体に絶対的に問題が起こるとは限らないということです。
大抵の場合、ストレス下にあったり、食事のバランスが崩れていたり、毒物に曝されていたり、腸内環境が非常に悪かったり、そういったことが重なることでメチル基の需要が高まり、問題が表面化してくることが多いと言えます。

 

 

ただ、自分のSNPs(遺伝子変異)を知ることは、とてもとても有意義なことです。
それは、今までお話してきた身体の中でのメチレーションの働きの重要性を考えてみれば、当然なことでしょう。
自分のSNPsを知り、自分の弱点を知ることで、その部分を前もって栄養でサポートすることで、未然に大きな病気や自己免疫疾患、ガンなどはもちろん、副腎疲労、そして甲状腺機能低下も防ぐことが出来る可能性があるのです。

 

そして、今では自閉症のような難治の病にも、メチレーションをベースにしたプログラムによって、大きな改善が見られています。

とても可能性のあることなんです。

 

今日はここまでにしましょう。

次回もお楽しみに!

 

 

 

Thank you for reading to the end.

 

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小菅一憲

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メチレーション【その2】|遺伝子は同じでも、人生は違う!?「エピジェネティクス」

双子でも雰囲気が全く違う2人の男の子|副腎疲労blog

 

Summary:

 

⭐️ メチレーション回路の弱点「遺伝子変異(SNPs)」

⭐️ 現代病の原因となる3つの因子とは!?

⭐️ 病気や感染にかかりにくくする!?「DNAサイレンシング」

⭐️ 双子の人生を変える「エピジェネティクス」とは?

 

 

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メチレーションは・・・

 

身体の中で瞬時に10億回以上起こり、あるパートナーからその他へメチル基が渡されるという生化学反応を伴った大きなダンスのようである。

 

これは、Dr.James BralyとPatrick Holfordの言葉です。

 

 

  

メチレーションの代謝を表した有名な経路図をご紹介しましょう! 

 

メチレーション経路図|副腎疲労blog 

 

この経路の中に3つの重要な円が見えると思います。

これが、まさにメチレーションの中心となる、BH4回路、葉酸回路、メチオニン回路です。そのほかにもクレブス回路や尿素回路、そしてメチオニン回路の下の硫黄転移経路という大切な経路が交わっています。
これらに関しては追い追い説明していくとして、こういった見た目にも複雑な経路が、私たちの健康状態に密接に関連しています。

 

前回のメチレーションに関する記事はこちら↓

 

前回もお話しましたが、この経路の働きがバランスを崩すと、自閉症、ダウン症候群、神経管閉鎖不全、心臓・血管性の病気、癌、認知の問題などにつながっていきます。

 

この経路が最終的に作っていく大切な最終産物がまさに「メチル基」。
「メチル基」は一番右のメチオニン回路内で産生されます。
そして、その「メチル基」がさまざまな反応に必要な材料となります。

 

 

 

 ⭐️ メチレーション回路の弱点「遺伝子変異(SNPs)」

  

「メチレーション」の回路に遺伝的な弱点があると、健康状態を損なうリスクが高くなります。
この遺伝的な弱点を「遺伝子変異(SNPs)」というのですが、病状によってはメチレーション回路の内部を念密に知る必要が出てきます。

 

 

メチレーション回路の弱点があることで起こる病態が下記のようなものですが・・・

 

糖尿病
心臓血管系疾患
アテローム性動脈硬化症
甲状腺機能低下
神経学的炎症
慢性ウィルス感染
神経伝達物質バランス以上

加齢
統合失調症
不適切な免疫応答
神経管欠陥
ダウン症候群
多発性硬化症
パーキンソン病
アルツハイマー病
ハンチントン病
自閉症
・・・

 

 

とくに自閉症を含んだいくつかの健康状態においては、メチレーション回路のどこにどのような遺伝子変異があるのかを知り、それを改善していく必要があります。

私たちに関係の深い「副腎疲労症候群」や「甲状腺機能低下」についても
メチレーションのどこに弱点があるかを知ることはとても有意義なことです。
また逆に言うと、メチレーション回路の欠陥があると「副腎疲労症候群」や「甲状腺機能低下」にもなりやすいというわけなんです。

 

 

 

私のクライアントさんの中にも、小さい頃から何かしら具合が悪いことが多くて、胃腸の調子が悪かったり、疲れやすかったり、アレルギー体質であったり、そうやって大人になって本当に副腎疲労の症状が本格化してきたようなケースでは、こういったメチレーションの弱点「SNPs」について調べることは、根本的な原因を見つけることに繋がります。

 

 

 

 ⭐️ 現代病の原因となる3つの因子とは!?

 

副腎疲労を含めて、現代社会におけるほとんどの体調不良や病態は「多因子性疾患」です。
そしてその原因には、遺伝的な因子と環境的な因子、そして感染性の因子があります。

 

 

メチレーション回路に関わる遺伝子に変異があると、これらの因子をより強めてしまうことが考えられます。
例えば、メチレーションが弱いと環境毒素が身体に負担をかけますし、遺伝子の発現を抑制できないので癌や様々な疾患に繋がります。また免疫も弱くなりますので、慢性的な感染症にもなりやすいのです。

 

しかし、逆を言えば、メチレーションにおける遺伝子変異へのサポートを行うことで、これら3つの因子を全て解決するようなことも実は出来るんです。
それだけ、メチレーションへのアプローチは、ほとんどの疾患を改善させる可能性のあるパワフルなものです。

 

 

 

⭐️ 病気や感染にかかりにくくする!?「DNAサイレンシング」

 

メチレーションの大切な働きの一つに

「望まれない遺伝子の発現抑制(DNAサイレンシング)」

という働きがあります。

 

 

 

「ヒトの遺伝子のその8割は発現されるべきではない!」とされています。

 

メチレーション反応は、実はこの発現して欲しくないDNAのサイレンシング機能も果たします。
DNA内の特定の分子に「メチル基」が結合することで、遺伝子発現は不活性化されるのです。

 

例えば病気になりやすい遺伝子を持っていたとしても、この遺伝子の発現をしっかりと抑制出来ていれば、病気にはなりません。
またDNAサイレンシングが出来ていれば、ウィルスのDNAも発現抑制が出来るので、体の中で爆発的にウィルスが増殖することがないのです。

 

しかし、このサイレンシングがうまく出来ていないと、ウィルスの慢性的な増殖や金属の蓄積が起こってしまいます。

 

例えば、ワクチンを打っても問題が起きる人と起きない人がいます。

これは、まさにこのDNAサイレンシングに深く関わっています。
サイレンシングが出来にくい性質を持っている子どもだった場合、ワクチン接種の後に調子が悪くなって、言葉が出なくなったり、行動が変になってしまったりということも起きてしまうというわけ。

 

 

 

このように、メチレーションは、風邪やインフルエンザ、癌に至るまで、広範囲の疾患に関わるウィルスのDNA複製・発現をサイレンシングします。
そして、逆に普段不活性である遺伝子を「スイッチオン」にすることも出来るのです。

 

 

 

⭐️ 双子の人生を変える「エピジェネティクス」とは?

 

みなさん。

こうやってお話していくと・・・

 

遺伝子は生まれた時から決まっていて変えられるわけでもないので、あたかもその方の人生や病気も決まっているように思えてしまうのではないでしょうか?

 

 

ただ、これは正解のようで、違います。

 

 

遺伝子の構造は変化しませんが、エピジェネティクス的に変化はするのです。

急に「エピジェネティクス」という難しい言葉が出てきましたが・・・
エピジェネティクスとは、DNAの塩基配列が全く同じであっても、その後のさまざまな因子によって、その遺伝子発現に違いが生じてくるということを意味しています。

これこそが、遺伝的に同一の双子における病気の有無の違いを説明する理論なんです。

 

 双子の人生の違いを描写した絵|副腎疲労blog

 

一卵性双生児は、同じDNAを持っています。
もし私たちが特定の病気にかかるかどうかを決定するのが、遺伝子のみに傾倒しているのであれば、一卵性双生児は毎回同じような病気にかかるはずです。
しかし、実際にはそうではありません。

 

全くの同じ遺伝子を持っていても、片方は自閉症でも、もう片方は健全、片方は喘息を持っていても、片方は全くそういう疾患を持っていない、片方が自己免疫疾患を罹患していても、もう片方は問題ない、そんなことも起こり得るのです。

 

これこそが「エピジェネティクス」です。

 

 

そして、これを可能にしているのが、メチレーションによる「DNAのスイッチのオンオフ」「DNAサイレンシング」というわけなんです。
簡単に言うと、メチレーション回路をしっかり回して、十分なメチル基を産生出来ていれば、望まれない遺伝子の発現を抑えることが出来るので、遺伝的な病気のリスクも少なくすることが出来るのです!

 

 

これには希望が持てますよね。 

 

今日はここまでにしましょう。

次回はさらに「エピジェネティクス」を詳しく見ていきましょう!

 

 

 

Thank you for reading to the end.

 

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