コンドロイチンとは?
前回お話してきたグルコサミンは、世界中で行われている臨床研究の結果を平均すると、5人に2人はその作用効果を実感できないという結果があります。
アメリカやドイツで慢性関節炎の抗炎症作用を期待してグルコサミンを処方し、2-3週間で患者に効果がでなかった場合には、コンドロイチン(硫酸塩)を併用するケースが多くみられます。
コンドロイチンはムコ多糖類という粘性を持った物質で、ビタミンAの触媒作用によってヒアルロン酸に硫酸が結合して作られる物質です。
グルコサミンとコンドロイチンを併用することによって、グルコサミンだけでは反応しなかった患者の約40%に抗炎症作用が見られるというのです。
コンドロイチンの正式な名前はコンドロイチン硫酸。
骨の軟骨部分の弾力性を保ち、保水することが大きな役割で、軟骨を破壊してしまう酵素を抑制するためにも必要な物質です。
コンドロイチンは、たんぱく質と結合して、軟骨、皮膚、椎間板だけでなく、身体の多くのところ、特に粘膜で覆われているところに存在しています。
動物の細胞、繊維、臓器などを結びつけ、それらの維持、保護、栄養補給、水分調整の役目を果たしているほか、特に細胞間の結合組織での水分調節が重要な役割を持っているのですね^^。
粘膜などに水分を引きよせ、みずみずしく保つ働きをしているので、コンドロイチン硫酸のことを「水磁石」ともいっています。
関節はもとより、目の角膜、皮膚、心臓弁などにも多く含まれているのです。
しかし、グルコサミンと同じく、加齢とともに水分量が減少し、体内ではコンドロイチン合成が分解に追いつかなくなります。
コンドロイチン硫酸は「プロテオグリカン」の周りの水分保持に働いているので、サプリメントで「プロテオグリカン」の一つ前の成分であるグルコサミンを摂取するなら、コンドロイチンも一緒に摂取した方が良いでしょう。
市場の多くの製品では、グルコサミンとコンドロイチン硫酸が同時に摂取できるような商品設計になっています。
またできれば体内合成に必要なビタミンB3、アミノ酸のメチオニンを一緒にとることをオススメします。
ちなみに…
名前の通り、コンドロイチンには必ず硫酸が結合しています。
これはコンドロイチン自体だけでは不安定で変化しやすく、硫酸がつくことによって安定化し、存在することができるからです。
硫酸は人や植物が体内に持っている成分。自然界に存在する場合もコンドロイチンは単独で存在するのはなく、必ず硫酸と結合した形で存在しています。
サメ由来 or ブタ由来どちらが効く?
科学構造式でその硫酸がどの位置についているかによって、コンドロイチン硫酸は現在5種類に分けられます。
このうち食用にしたり、効用について話題にしていたりするのが、4硫酸と6硫酸の2種類。人間はその両方を体内に保有していますが、年齢とともに減少するのは「4硫酸」のほうです。
前回のグルコサミンは一般にエビ、牡蠣、カニの甲羅などから抽出されることが多かったのですが、コンドロイチンは牛、豚、サメの軟骨から抽出されます。
多くは、鶏の皮、牛・豚・鶏の軟骨、ナマコ、ウナギ、ドジョウ、フカヒレなど動物性のネバネバした成分をもった食品に含まれていますが、サプリメントの原料として使われているのはサメの軟骨や牛の軟骨など。
植物性のものとしては納豆、山芋、ナメコ、オクラなどのやはりネバネバしたものに含まれています。
最近ではサメ由来のコンドロイチン、硫酸化ケラタン硫酸がよく売られていますが、実はこれは「6硫酸」なのであまり意味がありません。
人間で減っているのは「コンドロイチン4硫酸」の方なので、出来れば動物の気管軟骨からとれるようなものがオススメです。しかし残念ながら、この「4硫酸」の牛や豚の気管軟骨は、市場ではあまり少なく、あってもかなり高価なのが現状です。豚由来などの4硫酸で出回っているもののほとんどが病院で使われています。
カイロプラティカでは、豚由来のコンドロイチンを扱っていますので、興味がある方は聞いてくださいね^^。
その他コンドロイチンは、コレステロールと過酸化物質を除去することから、動脈硬化防止、骨折の回復や骨の成長の促進などにも効果が認められているそうです。
またたんぱく質などほかの成分とも協力し合い、がんの新生血管(がん細胞を増殖させる血管)の形成を抑えるという報告があり、がん細胞の増殖、転移を防ぐのに効用があると考えられるようになりました。
その他ネフローゼやリウマチ、神経痛、五十肩、夜尿症、老化防止などの薬にも活用されています。
かなり広範囲な効用が期待されているのですね^^。
余談ですが、よく出回っているサメ由来のコンドロイチンは、変形性関節症にはあまり意味がないといいましたが、このサメ軟骨、食べ物では中国料理の高級素材であるフカヒレが有名です。フカヒレスープで、軟骨の周りにプルプルとしている粘性物質がコンドロイチンでもあります。
フカヒレは古来、中国では不老長寿の食材として、上流階級層に珍重されてきました。
これは、サメ軟骨に含まれているコンドロイチンとコラーゲンが結びついて、肌のみずみずしい弾力を保つと言われているからでしょう。
最近ではコラーゲン鍋も人気がありますし、女性でも積極的に摂られている方は、多いのではないでしょうか?
でもこのコラーゲン、実際カラダの中に入るとアミノ酸に分解されるので、直接皮膚にまわされるとは限らないのです。身体の他の部分でアミノ酸を必要としていたら、そちらに優先的に使用されます。もし皮膚をぷるぷるにしたいのなら、まず体内環境を整えてその上でコラーゲンやサメ軟骨を摂れば、皮膚まで回るかもしれません。
まずは健康ということが大前提なのですね。
ではでは〜^^。
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