トランス脂肪酸(危険な油について)|カイロプラティカ麻布十番

トランス脂肪酸とは?

今日は、トランス脂肪酸についてお話したいと思います。
みなさんは、マーガリンが身体に良くないということはもうご存知でしょうか?
これについては大分知られてきたので、今更という感じもしますが・・・
念のため、今日はそんな「危険な油」についてのお話です。

 

 

10年か15年くらい前まで、日本は、乳がん、大腸がん、前立腺がん、心臓病などは少ない国でした。
伝統的な日本食の中では、牛肉や乳製品で摂る飽和脂肪酸も少なく、水素添加して作ったマーガリンやショ
ートニングといった今回のテーマのトランス脂肪酸が身体に入ることも少なかったのです。そして繊維質を
食事からしっかりと摂取し、オメガ3の脂肪酸やセレニウムなども魚から摂れていました。

しかし、今の日本は大分変わってしまいました。
昔から、アメリカに移住した日本人は、アメリカ人と同じぐらい大腸がんや心臓病、その他の病気にかかる
ことがわかっていましたが、今では日本の本土でもこれらの病気が増えてきています。

 

その原因の1つにトランス脂肪酸の害があります。

先ほど言ったショートニングやマーガリンの中には、トランス脂肪酸という人工的な油が含まれています。
またレストランやファーストフードのお店で使われている油も危ないものです。業務用の食用油は何度も
熱せられますよね。そういった何回もの加熱の中で脂肪の分子のあるものはリング状をした「ラクトン」
と言われるものに変わってしまいます。このラクトンが増えると、それはプラズミンという酵素の働きを
妨げ、動脈に血栓ができる要因の一つになると言われています。プラズミンは血栓を溶かす働きのある酵
素です。
トランス脂肪酸は、飽和脂肪酸と同じように摂りすぎると血液をドロドロにします。また肝臓にダメージ
を与えて体内のコレステロール合成量を調整する機能を崩してしまうそう。そしてそれは心臓病のリスク
につながります。

アメリカで8万人もの女性を対象に行われた実験では、トランス脂肪酸をもっとも多く摂取するグループ
はもっとも少ないグループに比べて、心筋梗塞を起こす危険性がおよそ30%も高かったそうです。
またオランダで行われた調査では、488人の女性と27人の男性を3つのグループに分けて、それぞれ、
オリーブオイルの多い食事、動物性脂の多い食事、トランス脂肪酸の多い食事を3週間続けたところ、
トランス脂肪の多いグループだけがHDL(善玉コレステロール)が少なく、LDL(悪玉コレステロール)
が多くなっていたとの結果がでました。

その他、糖尿病や高齢者の認知症の原因になっているという話まであります。

 

 

マーガリンの怖さ

トランス脂肪酸の中でもよくあがるマーガリンについてお話します。
有名な実験を一つ紹介しましょう!

アメリカの自然派運動家フレッド・ロー氏が行ったマーガリンの実験。
もともと彼は、自然食品店を経営しており、「マーガリンは正しい食品」と信じて売っていました。きっとお店を訪れた多くのお客さんが「動物性脂のバターよりも植物性油を使ったマーガリンのほうが健康に良い」と思っていたことでしょう。
ところがある日、食品工業の技術者である常連客から「マーガリンを顕微鏡でのぞいてみると、プラスチックの構造にそっくりなことがわかる。マーガリンにプラスチック食品という名前をつけたくなる」という話を聞きます。
驚いた彼は、マーガリンや、マーガリンとは兄弟分のような植物系ショートニングが含まれている食品を売るのをストップし、ちょっとした実験を始めました。

それまで彼の店で売っていたのと同じマーガリンの小さな塊をお皿にのせ、その皿を店の裏部屋の窓際に置きました。マーガリンが本物の食べ物であるなら、虫や細菌がやってくるのに好都合な場所にあるこのご馳走に、大喜びしてむらがるに違いないと思ったからです。
同じことをすると、バターの場合は蠅や蟻やカビがいっぱいになります。
しかし、マーガリンの塊はバターとは違っており、2年経っても、もとのままでした。その間どんな虫も一匹としてその塊に近寄るのを眼にすることはなく、ひとかけらのカビすら生えなかったといいます。
窓を通して入る日光の熱でマーガリンは半分溶けてくずれ、ほこりまみれて汚くはなりました。しかし、起こったことはただそれだけで、マーガリンの固まりは決してきれいになくなることもなく、汚くぞっとするものになっただけだったそう。

 

みなさんの常識の中には、「植物油由来のマーガリンは、バターよりもカロリーも低くて健康的」ということがあるのではないでしょうか?
この常識はすぐに変えなければいけないと思います。

マーガリンはどうやって作られるのでしょう?
たしかに植物油(大豆油、コーン油、パーム油、ヤシ油、綿実油、ひまわり油など)を原料にしてつくられています。これらの油は、融点が低く、常温では液体です。身体の中に入っても、液体のままなので血液中をスムーズに移動できるという反面、その構造上酸化しやすいのが欠点で長期の保存が難しい油でした。

では、植物油を使ったマーガリンはなぜ常温でも固形なのでしょう?
ここにカラクリがあります。
実は「水素添加」という方法を使って油の性質を変えてしまっているのです。
脂肪酸は、炭素が連なり、そこに水素がくっついた鎖のような構造をしています。炭素には4本の腕が伸びていて、そのうち2本の腕は両隣の炭素と手をつなぎ、他の2本の腕は水素と手をつないでいます。鎖の先頭にあたる炭素は、隣の炭素、水素と手をつないでおり、この部分をメチル基と呼んでいます。また、最後尾に当たる炭素は、隣の炭素と水酸基、酸素と手をつないでおり、カルボキシル基と呼んでいます。

それぞれがしっかりと固定されていれば、強度が高く、常温で固体になります。いわゆる牛脂やラードなどの飽和脂肪酸ですよね。それに対して、水素がところどころ抜けている形のものは、不飽和脂肪酸と呼ばれ、穴の数が多いほど、固体になりにくく、融点が低い油となります。
植物油のほとんどがこれで、常温で液体になっているわけです。

 

さて、マーガリンにおける水素添加というのは、何か。
みなさん想像できたのではないでしょうか?

そうです。この抜けた穴のところに人工的に水素をあてがって無理やり炭素の鎖と結合させるということです。
それによって穴が埋められ安定した植物油は、固体になり、なおかつ酸化しにくくなるので長期の保存が可能になります。
こうやってできたのが、このマーガリンというものなのです。
マーガリンは使い勝手が良く、長期の保存がきくということで商業的には利便性が高い商品になりました。
マーガリンの硬さは、水素を添加した量によって変わります。水素をたくさん添加すれば、その分、多くの穴が埋まるので硬いマーガリンができます。また水素を少しだけ添加すれば、穴が残る割合が多くなるので、液体により近い、伸びのよいマーガリンができます。これがパンにも塗りやすいマーガリンができる秘密なのです。
現在売られているマーガリンのほとんどが、この部分水素添加によってつくられており、そうして固体となった油(硬化油)に、乳化剤と水を加えた後、急冷してマーガリンが完成します。

なお、水素添加は120~210度の高温、高圧のなかで水素ガスを反応させる方法で行われます。そしてこのときニッケルや銅が触媒として使われるのですが、なんか聞くだけで怖くなってきますよね。

 

現在、ヨーロッパ各国では、トランス脂肪を「殺人脂肪」として扱い、トランス脂肪が一定基準よりも多く含まれている食品を違法としています。
またアメリカ・ニューヨーク市でもすべての調整食品からトランス脂肪酸を排除することを法律化しています。
私自身、海外の製品を見たりすると、TRANS FAT ゼロの表示がめずらしくなくなりました。

 

トランス脂肪酸が含まれている可能性のある代表的な商品には・・・

マーガリン
ショートニング
ケーキ用小麦粉
カップラーメン
フライドポテト
冷凍食品
ドーナツ
パウンドケーキ
ポテトチップス
オートブラン
チョコレート
クッキー
ホイップクリーム
コーヒーフレッシュ
ドレッシング

などなど・・・

 

もちろんファーストフードは、トランス脂肪酸の宝庫です・・・。

 

みなさん、いかがでしたか?
この話について聞いたことがあったという人も、初めて聞いたという人も、これが食事を変えるキッカケに
なったら幸いです^^。

 

 

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