整腸に効果があるのは?

オリゴ糖

 

オリゴ糖の効果

腸内環境を整えるには、腸内細菌叢のバランスをよくすることが有効です。

それには、乳酸菌やビフィズス菌をできるだけ増やすことが重要になります。
乳酸菌やビフィズス菌を増やすには、腸内細菌叢の大好きな餌をたっぷり与えて上げること。

一番良いのは「オリゴ糖」の摂取です。

 

オリゴ糖は腸で吸収されず、腸内の善玉菌だけがエサとして活用することが出来るという変わった性質を持つ糖なのです。

オリゴ糖は、単糖(炭水化物を分解したときこれ以上分解できない最小単位)が2〜20個結びついたものです。食品に含まれる天然オリゴ糖と、機能性を持たせた合成オリゴ糖があり、合成オリゴ糖は、デンプンや砂糖、大豆、乳糖などを原料に作られます。

 

糖にはショ糖や麦芽糖のように、吸収されやすくエネルギー源になるものもありますが、オリゴ糖は人間の消化酵素では消化されません。
カロリーは砂糖の半分以下で、血糖値の上昇が少なく、インシュリンの要求度は玄米と同じレベルなのがうれしいところ。また虫歯の心配が少なく、副作用の心配もない、ダイエット向けの糖としても人気を呼んでいます。その他アレルギーや炎症の改善にも効果が認められています。

さらに、消化酵素で分解されないので、そのまま大腸に届き、腸内にすむビフィズス菌、乳酸菌など、善玉菌のエサになってくれるのです。
しかも悪玉菌のエサにはならないところがポイント。善玉菌だけを増殖させ、優勢にする助けをするため、腸の調子を整えるのにはうれしい糖ですよね。

 

具体的な目安としては1日3〜5g程度がよいでしょう。
ちなみに摂りすぎてしまうと、お腹がゆるくなったりします。これは腸の中の善玉菌が一時的に爆発的に増え、便を巻き込んで外に出るためです。

 

オリゴ糖は、もちろん食べ物にも含まれていますが、甘味料としても市販されています。
市販されているオリゴ糖では、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などが有名です。

食べ物だと大豆やゴボウ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス、バナナなどの食品にも豊富に含まれていますので、これらの野菜や豆類を積極的に摂ることもひとつの方法でしょう。ちなみに納豆は、納豆菌とオリゴ糖をダブルで摂れる食品ということになります。

またイモ類など、食物繊維の豊富な食品にも含まれているのでおすすめです。食物繊維は腸内細菌の餌になるばかりでなく、腸内の有害物質を体外に排出してくれます。いわば腸内のクリーニングの働きをするので、乳酸菌やビフィズス菌がすみやすくなり、腸内細菌を元気にしてくれます。

 

 

10%ぐらいのビフィズス菌がいると、オリゴ糖を与えるとビフィズス菌が40%まで増えます。しかし、オリゴ糖の少ない食事をしていると、また10%台に下がります。

 

現代社会では、毎日サプリメントだけで生活している人もいます。その人たちの便を調べてみると、ビフィズス菌ばかりでなく、大腸菌までもほとんどいない状況だというのです。
きちんと3食しっかりと食べ、野菜をいっぱい摂っている人は、ビフィズス菌が50%近くまで増えるそうです。

 

「便秘を治すためにヨーグルトを毎日摂っている」
「免疫改善のために乳酸菌を毎日摂っている」

 

こういう話をよく聞きます。
もちろん整腸の効果はあるのですが、実は残念ながら、外からきた乳酸菌はたとえ生きたまま腸まで届いたとしても、腸に住み着くことは出来ません。
ヤクルトの研究者の話では、Lカゼイ・シロタ株の乳酸菌でも、腸に住み着くには40年間毎日休むことなく乳酸菌を摂り続ける必要があるそう。
なぜなら、私たちの腸にはお母さんからもらった乳酸菌がもともと住んでいて、私たちの体にはその乳酸菌が一番合っているためです。
だとしたら、その乳酸菌を増やすのが一番なのでは!?

 

そうなのです。
腸内環境改善、免疫UPのために、乳酸菌を摂るのはオススメですが、オリゴ糖も一緒に摂って上げるとダブルに良いといえます。

多くの研究から、乳酸菌などの善玉菌を増やすには、余計な油は控えて、食物繊維をたくさん摂る食事が良いと分かってきています。
野菜や穀類、食物繊維を摂らない食生活。こういったことは、善玉菌のエサである「オリゴ糖」から見ても、腸内環境を悪くする原因になっていたのですね。

 

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