炭水化物(糖質)carbohydrate|脳のエネルギー源とは?

中央の青リンゴの周りにフォークが囲んでいる写真|副腎疲労blog

 

Summary:

 

⭐️ 脳は糖質以外の「ケトン体」という脂肪からのエネルギーを使うことができる!

⭐️ 大事なことは自分に合った糖質の摂り方をするということ

 

 

みなさん、こんにちは。

 

 

 

副腎疲労専門カイロプラクティック

「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。

そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。

 

 

 

「脳にとっての唯一の栄養源。それは糖質である。」

 

 

誰もがこう思っているのではないのでしょうか?
しかし、実際には、脳は「ケトン体」という脂肪もエネルギーとして使うことができます。
今日は、まずみなさんに「脳の栄養は糖質のみである」という常識を取っ払ってもらって、
その上で「脳のエネルギー源」について話をしていきましょう!

  

 

 

⭐️ 脳は糖質以外の「ケトン体」という脂肪からのエネルギーを使うことができる!

  

ここ数年流行りの「糖質制限食」。

「糖質制限」の食事を肯定するわけではないですが、糖質を控えた場合に身体(脳)はどのようなエネルギーを使うのでしょうか?

糖質制限食で有名な先生は、こう言っています。

 

 

 

「脳はブドウ糖だけでなくケトン体を利用します。日常生活では心筋・骨格筋など多くの体細胞は、脂肪酸・ケトン体をエネルギー源としているのに対し、脳・網膜・生殖腺胚上皮・角膜・水晶体はブドウ糖を利用しています。そして赤血球・角膜・水晶体は、ミトコンドリアを細胞内に持っていないのでブドウ糖だけが唯一のエネルギー源であり、脂肪酸・ケトン体は利用できません。しかし、脳を含めてそれ以外のミトコンドリアを内部に有す細胞は全て、脂肪酸・ケトン体をエネルギー源にできます」

 

脳はブドウ糖以外も使うことが出来たのです。
これは、みなさんの常識からしてはビックリだったのではないでしょうか?
もちろん、脳の栄養としてはブドウ糖が80パーセント、ケトン体が20パーセントというデータがあるので、ブドウ糖の方が優先されるのですが、それ以外にもあるというのは初耳でしょう。

 

 

 

脳の栄養は糖質だけだから、甘いものを摂取しようというのは実は間違え。
血糖調整障害を持っていて極端に糖質制限している方はもちろん、脂肪食ばかりのイヌイット、狩猟採集が生業だった時代(今から400万年前~1万年前まで)の先祖たちの脳は、この「ケトン体」をエネルギーとしていました。

生理学の有名な教科書「ガイトン臨床生理学」でも・・・
「イヌイットは時々完全脂肪食を摂取するが、通常ブドウ糖しかエネルギー源として利用しない脳細胞も、この時は50~75%のエネルギーを脂質(ケトン体)から得られるようになる」と述べています。

 

 

 

⭐️ 大事なことは自分に合った糖質の摂り方をするということ

 

さて、では今日の本題。
脳は前述したように、糖質以外の「ケトン体」という脂肪を使うことができますが、通常の食生活ではやはり糖質が優先されて使われます。
この糖質がどのように使われているのか見ていきましょう。

 

 

 

口から摂取された糖質は、食道、胃、十二指腸、小腸と長い旅を続け、その間に分解されて細かくなります。
そして最終的に小腸で吸収されるときには最小単位である単糖のグルコースやフルクトースになります。
その後門脈という血管を通り、肝臓に運ばれ、必要に応じて動脈へと流されるのですが、これが血糖と呼ばれるもので、血糖が多くなると細胞での糖の取り込みが始まります。

糖が細胞内に入る時には必ず「GLUT」という糖輸送担体を通過します。GLUTは13種類ほどありますが、筋肉や脂肪にはGLUT4が、脳には脳関門にGLUT1、脳細胞にGLUT3がそれぞれ存在しているのです。
脳関門というのは脳へ危険物が入らないようにする関所のような大切な門。
人間にとって一番大切な脳機能に悪影響を及ぼす物質が入らないようにするため、脳の入口には厳しい関所が存在するというわけなのですね。

 

すごいのは、グルコースはこの関所をフリーパスで通過できるということ。

 

脳関門や脳細胞にあるGLUT1、GLUT3は、インスリン分泌の有無にかかわらず糖を通過させることができるのです。これらのGLUTは、細胞表面にあって、血液があれば常に血糖を取り込める仕組みになっています。
一方、心筋や骨格筋などの筋肉や脂肪に存在するGLUT4は、細胞内に沈んでいて、普通であれば血糖をほとんど取り込めません。運動時あるいは糖質を摂取してインスリンが大量に追加分泌されたときだけ、GLUT4は細胞表面に移動して血糖を取り込んでいきます。

 

おもしろいですよね。
つまり糖が常に優先的に脳へ送られるシステムができあがっているわけです。

 

 

 

脳は体重のわずか2%の重量しかないのに、消費エネルギーはカラダ全体の18%にも及んでいます。体重の約50%を占める皮膚と筋肉を合わせても消費エネルギーは全体の25%なので、脳で使われるエネルギーがいかに多いかがわかるでしょう。
通常、脳に貯えられている糖は少なく、それだけだと10~15分で枯渇してしまいます。そのために、血糖値が一定に保たれるようにできていて、常に脳は糖を取り込めるようになっているのですね。

 

 

 

 

さて、前回のblogで、身体の中のグルコースが不足してくると肝臓にて新糖生という作業が行われるという話をしました。
通常、グルコースが不足してきたら数時間は肝臓に貯蔵されたグリコーゲンが、グルコースに変わって働きます。その後は、糖質以外の栄養素からグルコースを合成する「糖新生」を行います。グルコースが不足しても数日間生きていられるのは、こういった仕組みがあるから。

肝臓における糖新生は、ごく日常的に行われます。この糖新生は、脂肪やたんぱく質から糖を作り出す仕組みなのですが、これが全ての人に備わっているわけです。
通常の食生活をしている人では、夜寝ている時や、食後数時間経過したら肝臓で糖新生を行って血糖が下がらないようにしています。
食べ物を食べて、栄養が吸収された直後には肝臓でのグリコーゲン分解が血中に入るブドウ糖の主要な供給源ですが、食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は肝臓のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。

 

 

 

 

 

このように・・・現代人の脳で使われる主要なエネルギーはブドウ糖で、その供給が滞らないように「糖新生」という仕組みもあります。また糖が制限されると、脂肪からつくられるケトン体というものも使うことができます。

 

それだけ脳の栄養は重要ということですね。

 

現代人の糖質に偏った食生活だと、通常すぐにはこのケトン体はうまく使えません。糖質に頼ったエネルギーの使い方をしている人が多いからです。
こういった中で、糖を急激に取り込んで一気に血糖値を上げることは、その後の反応性低血糖を引き起こし、かえって脳や血糖に関わる臓器に負担を与えてしまいます。
一般的には、一気に大量のインスリンが分泌されないような食べ方、糖質が少しずつ継続的に供給される食べ方が勧められますよね。
それには野菜などの食物繊維を食べることも重要ですが、血糖値の上がりやすさを示したGI値も参考になります。

 

 

次回のblogではこのGI値についてお話していきますね。

 

 

 

私が、一番良いと思うのは、自分にあった糖質の摂り方をすることだと思います。
血糖値に問題がある方は、極端に糖質を制限することも必要だと思いますし、そこまでは糖質に左右されなくても、炭水化物摂り過ぎの症状が出ている方はある程度摂り方を考えなくてはいけません。また逆に自分がどのようなエネルギーの使い方をするかによっては糖質をうまく補給しなければならない場合もあります。

 

この辺りは本当に人それぞれなので、とても難しいところでもあるのです。

 

 

 

今日はここまでにしましょう。

次回をお楽しみに〜^^。

  

 

Thank you for reading to the end.

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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Written by

小菅一憲

Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science
AK Practitioner

国際基準のカイロプラクター
アプライドキネシオロジスト
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Thank you for reading to the end.