副腎でつくられるステロイドホルモン

副腎疲労.1

 

ステロイドホルモンとは

みなさん、ステロイドという名前のお薬を聞いたことはありますか?
身体になにかしらの炎症があると、病院でステロイド剤をもらった経験がある人も多いのではないでしょうか。
またステロイドは、長く使っていると副作用が心配というイメージもあるでしょう。

実は、これこそがまさしく副腎で作られているステロイドホルモンがお薬になったものなのです。
今回は薬剤師の観点からステロイド剤のお話をしていきたいと思います。

 

副腎は外側の副腎皮質と内側の副腎随質からなっています。副腎皮質からはいくつかのホルモンが分泌されているのですが、その1つがアルドステロンというホルモン(別名、鉱質コルチコイド)で、ナトリウムやカリウムの制御をし血圧や血液量の調節を行っいます。また副腎皮質から分泌されるもう1つのホルモンが、抗ストレスホルモンとしても有名なコルチゾールです。コルチゾールは「糖質コルチコイド」とも呼ばれ、糖代謝や血糖コントロール、炎症の制御等、様々な働きを担っています。

そして、この「糖質コルチコイド」がお薬になったものがステロイド剤と言われるものなのです。コルチゾールが協力に炎症を抑えてくれるのと同じく、ステロイド剤にも強い抗炎症作用があることには頷けますね。

さて、これに対して副腎髄質からはみなさんもよくご存知の、アドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが分泌されています。これらのホルモンは、ストレスに対して瞬時に対応しなければならないので、脳下垂体や神経の支配を受け、身体の状況にあわせて分泌量がすぐに変化するような仕組みになっているのです。

 

このように副腎は、ステロイドホルモンを始め、様々なホルモンを分泌しているのですが、今月お話してきたような副腎疲労症候群などで、副腎が機能低下を起こすと、これらのホルモンが分泌できなくなり、身体の不調を生じるようになってきます。ちなみに、副腎疲労について病院で診断されることは皆無なので、ステロイド剤を使うのは大抵、リウマチや膠原病などの病名がついている段階になります。

 

ステロイド剤は注射薬や飲み薬、塗り薬、目薬といろいろなタイプのものがあります。皮膚の炎症や赤みなどがあるに時には塗り薬を使用したり、花粉症の時期に目の痒みが辛い時は、ステロイドの目薬を使ったりもしますよね。

またみなさんもご存知の通り、長期間の使用には副作用が伴います。長期間ステロイド剤を使用していると、体内でステロイドを作っていた機能が働く必要がなくなって、副腎機能が低下してしまうのです。さらには、その状態で急に服用を止めると体内のステロイドが不足してしまい危険な状態になるので、症状が安定しても急には止められないのがこのお薬の特徴なのですね。

例えば、膠原病などに対しては、初めは投与量を多めに使用し、効果や副作用をチェックしながら徐々に減らしていくのが一般的です。

 

 

今月のお話で、みなさんも副腎という臓器が私たちの健康を維持していく上で、本当に大切な働きをしていることがわかって頂けたと思います。そんな副腎の重要なホルモンであるコルチゾールと同じ作用をするステロイド剤は、一見とても都合の良いお薬だと思いがちかもしれません。確かに効果が高いのは事実です。しかし、長期間の使用ではかえって副腎の自然な働きを妨げたり、辛い副作用が起こることも事実なのです。

今回、私がみなさんにお伝えしたいのは、ステロイドホルモンは本来体内で自然に作り出されるものなので、非常寺以外はこういったステロイド剤に頼らないようにすること、そして普段から自分の副腎でしっかりとホルモンを作れるように、副腎を労る生活を心がけることこそ何よりも大切だということです。

 

 CHIROPRATICA|低血糖症と副腎疲労のためのカイロプラクティックと栄養療法