今月のテーマは「糖尿病と糖質の悪影響について」です。
糖尿病は、とても増えています。日本でも4人に1人が糖尿病といわれる時代です。
それだけ現代になって糖類の摂取量が増えているということなんです。
実は検診で血糖値が高く、糖尿病を疑われる状態でも、自覚症状があまりない病気のため、治療を受けていない人も多いです。しかし症状が出なくても、糖尿病は徐々に進行し、恐ろしい合併症を引き起こします。
若い世代にも、糖尿病ではないにしても、糖類や炭水化物の摂り過ぎによる問題が増えています。
放っておくとそれこそ、将来のリスクにつながります。
「糖尿病?私は関係ないや」と思わないで、是非知識をつけて予防していきましょう!
糖尿病の実態
糖尿病患者は、世界的に増加しており、厚生労働省2007年度国民健康・栄養調査によると、日本人でもその患者数は890人と、1955年からの52年間で約35倍となりました。また予備軍を含めると2,210万人となり、40歳以上の3人に1人は糖尿病あるいはその予備軍であると言われています。
若い世代にも血糖値が不安定になることで問題が起こる低血糖症や、炭水化物の摂り過ぎによる炭水化物過敏症も増えています。多くの場合、遺伝的(例えば家族に糖尿病の人がいる)な要素がある方に多いのですが、そうではなくても現代食を見る限り、糖質による問題は明らかに増えているのです。
糖尿病は1型と2型に大別されますが、日本では9割が2型糖尿病です。1型糖尿病は、膵臓のインスリンを分泌する部位(ランゲルハンス島のβ細胞)に自己免疫による炎症が起こる病気です。最終的にはインスリンを分泌する能力が廃絶してしまい、インスリンを注射しなくては生きていけない状態になります。それに対して2型糖尿病は、インスリン分泌障害(膵臓のβ細胞の機能が低下し、インスリンの分泌量が減る)とインスリンの抵抗性の増大(インスリンが効きにくくなる)により慢性的に血糖が高くなる病気です。
糖尿病でお医者さんに行くと、治療自体は、高血糖を下げる目的で行われます。薬の力でインスリンの分泌を高めたり、高血糖の原因になる糖の吸収を抑える方法がとられます。しかし、これは糖尿病の根本的治療になるものではありません。いわゆる対処療法です。もちろん対処療法であっても受けなければならない方は多くいらっしゃいます。でもその前にもう少し考えてみませんか?
糖尿病になる原因は実にさまざまです。特にそこには多くの生活習慣とくに食事が関わっています。糖尿病は、家系的因子(家族に糖尿病の人がいるなど)が関与していますが、現代では遺伝だけが糖尿病の原因とは限らなくなってきました。インスリン抵抗性の増大には肥満、過食、運動不足、ストレスなどの環境因子(生活習慣の乱れ)も関与しています。その背景には、戦後から日本の食生活が大きく変わったことと、自動車や電化製品などの普及によって、食事の摂取量に見合った運動をしなくなったことなどが深く関わっているでしょう。
血糖調節の仕組み
血糖値とは、血液中のブドウ糖濃度のことを言います。食事をすると、三大栄養素のうち炭水化物(ご飯、パン、麺類、イモ類などのデンプン質と糖分)は小腸でブドウ糖に分解されて吸収され、血液中に入ります。この結果、血糖値が上がります。食前の健康な血糖値は70〜100mg/dlですが、仮に75gのブドウ糖を食事の代わりに食べるとしたら、これを血糖値に換算すると1,500mg/dlになります。しかし、食後の血糖値はせいぜい140 mg/dl程度にまでしか上昇しません。また食後2~3時間には元の食前血糖のレベルである70~100mg/dlにまで戻ります。これはなぜなのでしょう。安静時のブドウ糖使用量は1時間当たり約8g程度です。従って、2〜3時間で75g以上ものブドウ糖を素早く消費するのは不可能なのです。
実は細胞にブドウ糖を取り込んで貯蔵することが出来る細胞があり、貯蔵をしているのです。それが肝臓と筋肉の細胞です。肝臓と筋肉の細胞がブドウ糖を細胞内部に入れることを、「糖取り込み」と呼びますが、食後に肝細胞と筋肉細胞が猛烈な勢いで「糖取り込み」を行ってくれるおかげで、食後血糖は最高でも140mg/dl程度までにしか上昇せず、早ければ2時間後には元の食前レベルまで戻るというわけです。そして肝細胞と筋肉細胞の「糖取り込み」を行っているのがインスリンというホルモンです。
インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。このインスリンが少なくなったり、働きが悪くなると血糖値が上がってしまいます。そしてその状態が慢性的に続くのが糖尿病です。具体的に言うと、空腹時血糖値が126mg/dl以上、食後血糖値が200mg/dl以上あれば、糖尿病と診断されます。
今月はみなさんの意識を高めてもらうために、少しずつ糖尿病と糖質の問題について情報発信していきますね。
その方に合わせた食事や栄養のアドバイスも行っておりますので、わからないことがあれば、是非お聞きください。
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