副腎疲労症候群|カイロプラティカ麻布十番

副腎疲労症候群

私たちは常にストレスにさらされています。それでも、すぐに悪影響が出ないのは、副腎がストレスをコントロールしているためです。副腎は、抗ストレスホルモンを分泌し、ストレスから心身を守る働きをしています。

現代のストレス社会では、めいいっぱいフル稼働している我らが「副腎」。
今日は、副腎から分泌される主要なホルモンの働きについて一挙にご紹介しましょう。
そして、副腎疲労が進んでいく様子をお話します。

 

 

副腎から分泌されるホルモンの中でも特に糖質コルチコイドというホルモンは重要です。糖質コルチコイドは、細胞のエネルギー源となるブドウ糖を作りだします。また強力な抗炎症作用も持っているのですね。軽いトレーニングによる筋肉などの炎症は、この物質の働きによってすぐに回復できます。しかし、長期的なストレスによって副腎がダメージを受けると、糖質コルチコイドの分泌異常が起き、炎症が持続してしまいます。

またコルチゾールも副腎から分泌される大切なホルモン。脂肪をエネルギーとして使えるようにするため、糖質が蓄えられ、カラダの修復や回復に必要なタンパク質を使えるようにするという働きを担っています。

その他、塩分とカリウムのコントロールをし、脱水症状が起きないようにしているアルドステロン(電解質コルチコイド)や心臓の拍数や強さを増すことで代謝を促進させ、血糖レベルを上げ、脂肪をエネルギーに転換するのを促す働きがあるエピネフィリンやノルエピネフィリンもあります。

 

このように、副腎はさまざまなホルモンを分泌して、ストレス状況に対処し、身体の中からエネルギーを作るように働いています。しかし、過剰なストレスが長期間にわたると、副腎はダメージを受け、ストレスと戦えなくなってしまいます。
またホルモンの過剰分泌によりカラダにさまざまな問題を作ってしまうのです。たとえば、コルチゾールの分泌が過剰になると、免疫機能が低下してしまうことが言われています。

 

 

副腎のダメージの段階

副腎がダメージを受けるには、段階があり、副腎はそれぞれの段階で、違った反応を示すことがわかっています。これを副腎適応症候群または副腎機能低下症といいます。

副腎のストレスに対する反応の第一段階は「警告反応期」。この段階では副腎からのホルモン分泌が増加します。これは過剰なストレスと闘うためで、この闘いがうまくいけば副腎は正常な状態に戻りますが、闘いが長引くと副腎に負担が掛かり、機能低下が進みます。

「抵抗期」と呼ばれるのが次の段階。この時期にはストレスに適応し始め、副腎は肥大。従来のままだとストレスに見合うだけのホルモンを産生できないため、臓器そのものを大きくして増産体制に入るのです。

しかし、それでもストレスをコントロールできないと、副腎は反応する機能を徐々に失い、ついには第3の段階「疲労困憊期」に突入します。ここまでくると副腎は文字どおり、疲労困憊。ストレスにまったく適応できなくなり、副腎の大きさは抵抗期に比べて肥大しますが、その機能は著しく制限されます。結果として心身にさまざまな症状が表れてきます。

 

こうした適応症候群が表われるまでには、数週間から数カ月、さらには数年かかる場合もあります。しかも「警告反応」では、多くの人はストレス過剰であることに気づいていません。しかし、本当はこの段階で、すでにストレスの許容範囲は超えているのです。もしこの段階でストレスをコントロールしておかないと、「抵抗期」に移行し、そうこうしているうちに「疲労困憊期」に入ってしまいます。

この「疲労困憊期」では、極度の疲労感、膝、腰、足などに繰り返し起こる障害、免疫機能の低下など、自分でもはっきりわかる程度の問題が出てきてしまいます。また精神的にも非常に落ち込み、物事を否定的に考えるようにもなってきてしまいます。

もしも、この段階まで来てしまうと、治療をするのは難しく回復するまで年単位でかかってしまうこともあるので、どのくらいストレスをコントロールすることが重要かわかるのではないでしょうか。

 

 

副腎機能低下症の症状・・・

 

・朝寝床から起き出す気力がない(起きるのが辛い)
・6時間以上の睡眠をとっているのに疲れを感じる(起床後に頭がボーっとしている)
・塩分を欲することが多くなった(人から塩分摂りすぎと言われたことがある)
・いつでもどこでも知らないうちに眠っていることがある(移動中の交通機関内で寝ることが多い)
・眠りが浅いと感じる
・夢を見るほど熟睡できない
・睡眠薬や睡眠導入剤を飲まないと寝れない
・寝てから朝までに何度も目覚めてしまう(尿意を催してではなく)
・何か行動をするのに時間がかかるようになった
・日中でも頭の中に霞がかかったような状態であることが多くなった
・性的欲求がなくなった
・ちょっとしたことでパニックになる
・突然呼吸が苦しくなることがある
・ストレスで胃が痛くなることが多くなった
・風邪などの感染症にかかりやすくなった
・風邪をひても治りが遅くなった
・原因不明の微熱が続く
・傷がいつまでも治らないことが多くなった
・立ちくらみが頻繁にでる
・椅子から立ち上がったときなどに目の中に光がまばたくようなことがある
・小さなことで悩むようになった
・喜怒哀楽が激しくなった
・何をしても楽しくなくなった
・友人知人を含め人を会うのが面倒に感じるようになった
・食事をすることが疲れる
・生理前のイライラが増えたりチョコレートを食べたくなるようになった
・食事を1食抜くと疲れたり、イライラすることがある
・人の名前が突然思い出せなくなった
・朝食べたものが夜には思い出せない
・目覚まし時計が鳴っても起きられない
・午前中は仕事に集中する気力がない
・午後3時から午後6時ころに猛烈な睡魔に襲われる
・夕食を食べた後に気分がハイになる
・何かを考えること自体が面倒になった

 

また病状としては、喘息、慢性的な感染症、湿疹、潰瘍性大腸炎、クローン病、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、リウマチ性関節炎、免疫障害、不眠症、頭痛、疲労、失神、女性生殖器障害、肥満、動悸、浮腫、学習障害、うつ症状、多くの婦人科障害(無月経、分泌後うつ病、月経前症候群、無排卵、更年期うつ病)、などと多岐にわたります。

 

怖いですね、副腎疲労・・・。

 

 

カイロプラクティックでは

全ての内分泌系障害に通じて言えることですが、副腎機能低下の治療も根本的な原因を評価・決定することが先決になります。精神的なストレスがあるのであれば、それに対するストレスコントロールが重要になり、もし構造的な(筋肉骨格系)の問題があればしっかり取り除く必要があります。また化学的な問題なら、砂糖に特に重点をおいて、アレルギーと食事の指導を行います。必要なら栄養素も一時的にとってもらうようにします。

アプライド・キネシオロジーにおいては、副腎にかかわるリンパや血流ポイントの治療や、背骨の関節、内臓に対してマニュピレーション(機能障害を取り除くテクニック)を行い、機能を回復させていきます。

 

いかがでしたか?
副腎の働きと副腎疲労の状態。
その中には、現代人の多くが普段感じている不調な状態も含まれていたはず。
それだけ、副腎は人間のカラダを維持するのに重要な臓器ということです。

 

 

栄養について興味のある方は  
 Think Healthへ