メチレーション【その8】|遺伝子変異のダウンレギュレーションとアップレギュレーションについて

髪の色の違う双子の姉妹の後ろ姿|副腎疲労blog

 

Summary:

 

⭐️ メチレーションに関わる遺伝子検査

⭐️ SNPsによる酵素の活動性への影響はUpとDownがある!?

 

 

みなさん、こんにちは。

 

 

 

副腎疲労専門カイロプラクティック

「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。

そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。

 

 

 

ここ最近、メチレーションの話を進めてきていますが、このメチレーション回路がうまく回らないことによる問題が起きていると仮定し、それを改善していくには、まずは自分がどういう遺伝子変異「SNPs」を持っていて、現在どのような状況が起こっているかを検査しなければなりません。

この検査がいわゆるバイオロジカル検査と言われていて、その中でもとくに重要なものがDNAメチレーション検査と呼ばれる遺伝子検査(血液検査spotタイプ)、そして有機酸検査(尿検査)、アミノ酸検査(尿検査)、メタル検査(毛髪検査)です。

 

 

遺伝子変異(SNPs)についての記事はこちら↓

 

 

 

 

 

 ⭐️ メチレーションに関わる遺伝子検査

  

遺伝子とは、親から子に伝えられる形質の情報を担っているものです。

 

遺伝子は、遺伝子情報の単位でRNAの設計情報や、たんぱく質の設計情報が記されています。
遺伝子は、生命活動に必要なたんぱく質を合成するための情報で、人間では約2万種類もの遺伝子があると言われています。
遺伝子はまだ充分に理解されていない部分も多く、今後更なる研究がされていくことで新たに解明される部分もたくさん出てくるでしょう。

その中で、メチレーションに関わる遺伝子の変異を調べる検査があります。
それが、前述したDNAメチレーション遺伝子検査です。
メチレーション回路のどこに遺伝的に問題が起こる可能性があるのかを調べる、メチレーションを理解するには正に必須の検査になります。

 

 

 

 

この検査で調べられるメチレーションに関わる酵素の遺伝子は下記の通りです。
簡単に説明も添えておきますね^^。

 

 

 

SHMT(セリンヒドロキシメチル転移酵素)
新しいDNA合成のために必要なプリンやチミジンなどの構成成分を産生する方向へ進め、ホモシステインをメチオニンに変化する方向を抑制する酵素

 

AHCY(アデノシルホモシステイナーゼ)
SAH(Sアデノシルホモシステイン)をホモシステインへ変換する酵素。

 

MTHFR/C677Tと3(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)
5メチル葉酸と呼ばれる特定の葉酸を産生する酵素。※A1298Cと働きが違います

 

MTHFR/A1298C(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)
リバース反応によってBH4を増やす、BH2をBH4に変換する働きを持つ酵素。

 

MTRとMTRR(メチオニン合成酵素とメチオニン合成酵素還元酵素)
メチルB12を産生、利用することでホモシステインをメチオニンに変換する働きを持つ酵素。

 

BHMT(ベタインホモシステイン-S-メチル転移酵素)
ホモシステインをメチオニンに変換する酵素。

 

CBS(シスタチオンβ合成酵素)
ホモシステインからの硫黄転移経路の間に位置し、硫黄転移経路の代謝を制御している酵素。

 

COMT(カテコール-O-メチル転移酵素)
ドーパミンや他のカテコラミンを分解する酵素。

 

SUOX(亜硫酸酸化酵素)
亜硫酸塩を解毒して、それを硫酸塩という毒性の低いものへ変換することを助ける酵素。

 

VDR(ビタミンDレセプター)
ビタミンDの働きに関わるレセプター。

 

MAO(モノアミン酸化酵素A)
カテコラミンの代謝とセロトニンを分解する酵素。

 

NOS(一酸化窒素合成酵素)
アンモニアを解毒する酵素。

 

ACAT(アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ)
脂質バランスをコントロールし、三大栄養素からのエネルギー代謝に関わる酵素。

 

 

 

各酵素の働きについては、また次回以降ゆっくりとやっていくとして、まずはこのようなたくさんの酵素によってメチレーションの仕組みが回っているということを知っておいてください。

そして、この酵素の遺伝子に変異「SNPs」が起きた場合、どうなってしまうのか!?

 

これが難しいところなのですが・・・
全ての遺伝子変異「SNPs」が必ずしも、その酵素の活動性を減弱させるわけではないのです。

 

 

 

 ⭐️ SNPsによる酵素の活動性への影響はUpとDownがある!?

 

SNPsによる酵素の活動性への影響は、実は、その酵素を減弱させるだけでなく、活動を亢進させてしまうものもあります。
いくつかの突然変異は、その酵素の活動性を加速させますし、いくつかの突然変異は、その酵素の活動性を弱めてしまいます。

そして活動が過剰になってしまうものを「Up Regulation:アップレギュレーション」と言い、逆に活動が低下してしまうものを「Down Regulation:ダウンレギュレーション」と呼んでいます。

 

 

 

簡単に下記にまとめておきましょう。

 

 

 

◉ SNPsによりアップレギュレーションを起こすもの

 

SHMT(C1420T)(セリンヒドロキシメチル転移酵素)

CBS(C699T, A360A, N212N)(シスタチオンβ合成酵素)

MTR(A2765G)(メチオニン合成酵素)

MTRR (11)(メチオニン合成酵素還元酵素)

BHMT (8)(ベタインホモシステイン-S-メチル転移酵素)

 

 

 

◉ SNPsによりダウンレギュレーションを起こすもの

 

AHCY(1, 2, 19)(アデノシルホモシステイナーゼ)

MTHFR(C677T, 3, A1298C)(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)

MTRR(A66G, H595Y, K350A, R415T, S257T)(メチオニン合成酵素還元酵素)

COMT(V158M, H62H, 61)(カテコール-O-メチル転移酵素)

SUOX(S370S)(亜硫酸酸化酵素)

VDR(Taq, Fok)(ビタミンDレセプター)

MAO(A R297R)(モノアミン酸化酵素A)

NOS(D298E)(一酸化窒素合成酵素)

ACAT(1-02)(アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ)

BHMT (1, 2, 4)(ベタインホモシステイン-S-メチル転移酵素)

 

 

 

例えば、MTHFR(C677T)というのは葉酸をメチル葉酸に変換する酵素。
ここにSNPsがあれば、ダウンレギュレーションが起こるので、遺伝子変異がない人に比べてメチル葉酸に変換出来る量が少なくなります。
(+/−)の方ではその活動性が2/3に、(+/+)の方ではその活動性が1/3になります(全てのSNPsがこの法則ではありません)。
ちなみに(+/−)というのは片親からもらった遺伝子に変異があるということ。そして(+/+)は両方の親からもらった遺伝子に変異があるということです。もちろん(+/+)の方がその影響が強くなります。

 

そして、CBS(C699T)にSNPsがあった場合。
CBSの変異は、アップレギュレーションなので、活動性が異常に亢進します。
通常CBSは、ホモシステインからグルタチオンを作り、その過程でアンモニアや硫黄化合物を産生する硫黄転移経路をコントロールしています。
そしてこのSNPsでは、ホモシステインから他のルート(葉酸やB12を使ってメチオニンに変換するルートや亜鉛やBHMTを使ってメチオニンに変換するルートなど)を抑制して、全て自分の方(硫黄転移経路)に引き入れようとします。さらに良くないことにグルタチオンの作られる量が減少し、アンモニアやタウリン、硫黄化合物の産生が異常に高くなってしまいます。
とくにCBS(C699T)に変異がある場合は、それこそ場合によっては通常よりも10倍にも活動性が亢進するという厄介なものです。

 

 

 

このように・・・

ちょっと難しいと思いますが、単にSNPsと言っても全てが機能が低下してしまうというわけではなく、活動が亢進してしまうものもあります。
要は、SNPsがあると、通常よりも活動性に何かしらの異常が出るという風に覚えておくと良いでしょう。

 

次回からは一つ一つの酵素についてもお話を進めていきたいと思います。

 

 

 

Thank you for reading to the end.

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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Written by

小菅一憲

Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science 
AK Practitioner

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アプライドキネシオロジスト
健康栄養指導士
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