Summary:
⭐️ 副腎からのホルモン分泌はすべて脳からの命令によって行われる!?
⭐️ ストレスを感じて、副腎からホルモンが分泌されるまでの面白い仕組み
⭐️ アドレナリンとノルアドレナリンの違いってどんなもの?
⭐️ カテコールアミンを分解してくれる酵素と腸の驚きのつながり
みなさん、こんにちは。
副腎疲労専門カイロプラクティック
「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。
そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。
副腎はもうみなさんもご存知の通り・・・
ストレスの腺
と言われていて、私たちが受けるありとあらゆるストレスに対して、身体を守る仕事をしています^^。
そのストレスから身を守る時にとても大切な「コルチゾール」というスーパーホルモンや「アドレナリン」という闘争のホルモンなど・・・50種類以上ものホルモンを分泌している臓器と言われています。
今までこのホルモンの話をしてきましたが、身体の中ではどういう仕組みでこれらのホルモンが分泌されるのでしょう?
コルチゾールの話↓
アドレナリンなどカテコラミンの話↓
⭐️ 副腎からのホルモン分泌はすべて脳からの命令によって行われる!?
実は、ホルモンの分泌は、すべて脳からの指令によって行われているんですね〜。
脳には、ホルモンの総司令部である「 視床下部 」と実際司令を出している司令官でもある「 下垂体 」があります。
視床下部は、身体のセンサー的な役割もしていて、今現在身体がどういう状況に置かれているか、またホルモンはどれだけ分泌されているかなども感知しています。そしてその総司令部の「視床下部」からの連絡が下りてくると「下垂体」が各臓器へ実際の司令を送るわけなんです。
そんなことから脳の視床下部が障害されると、副腎のコルチゾールリズムに問題を起こすということもあります。
さて、ではこのストレスの腺である「副腎」。
ストレスがかかると、実際はどのような流れでホルモンを分泌しているのでしょう。
⭐️ ストレスを感じて、副腎からホルモンが分泌されるまでの面白い仕組み
まず、何かしらのストレスがかかると・・・
例えば・・・
職場の上司から「今週までにこの仕事仕上げておいてくれ」と言われた。
とても大変もしくは嫌な仕事を、忙しい時に急に頼まれてしまった・・・
旧知の友人から「結婚式でスピーチを頼まれてくれないか」と言われた。
人前でしゃべるのは大の苦手なのに、大切な友人だから断われない・・・
大切な試験・面接が明日に迫って、そのことで頭がいっぱい。
何ヶ月もこの試験のために準備をしてきた、この試験にパスできないと・・・
こんな時、普通の人なら
「ストレス」かかりますよね〜。
何となくイメージできましたか?
人によってはストレスとは感じていなくても、何かしらのプレッシャーはかかってくるはずです。
こんな時、そういったストレス、プレッシャーが脳の大脳皮質というところで感知されると、2つの系が活性化されます。
1つは皆さんもよくご存知の交感神経系です。
交感神経が活性化されると、神経末端からは「ノルアドレナリン」が分泌され、副腎髄質からは「アドレナリン」が分泌されます。
そしてもう一つはストレスの感知を受けた「視床下部」が下垂体を通してホルモンの分泌を促すルートです。
こちらは、HPA-axis(Hypothalamus – Pituitary – Adrenal axis) と言われています。ご説明すると先ほどのストレスを感知した視床下部(Hypothalamus)からコルチコトロピン放出ホルモン「CRH」(Corticotropin Releasing Hormone)を分泌し、それが下垂体(Pituitary)に。
そして、下垂体からは、副腎皮質刺激ホルモン「ACTH」(Adrenocorticotropic Hormone)され、それが副腎皮質に作用して、最終的に副腎皮質から「Cortisol」(コルチゾール)が分泌されます。
大脳皮質
ストレス感知
↓
視床下部 hypothalamus
CRH:コルチコトロピン放出ホルモン分泌
↓
下垂体 pituitary
ACTH:副腎皮質刺激ホルモン分泌
↓
副腎皮質 adrenal
コルチゾール分泌
このような各器官の頭文字を取った「HPA-axis」によって、ストレスを感知してから、脳からの司令によって副腎はコルチゾールを分泌しているわけなんです!
⭐️ アドレナリンとノルアドレナリンの違いってどんなもの?
さて、こちらのHPA-axisの他に、交感神経系も活性化されると先にお話ししましたが、これは視床下部が自律神経の中枢だからでもあるのですが、視床下部がストレスを感知すると、その司令は交感神経からも副腎に伝わります。そうすると副腎髄質からアドレナリンが分泌されることになります。
一方、ノルアドレナリンは脳内と交感神経の末端から分泌され、脳に強い影響を与えていると言われています。
アドレナリンとノルアドレナリンは、同じく興奮性の神経伝達物質で身体の危機に対して、臨戦態勢を整えてくれる作用を持っています。
混同しやすいと思うのですが、どう違うのか気になりますよね・・・。
それは、これらのホルモンの生成過程を見ていくとわかりやすいと思います。
以前のblogでアドレナリンとノルアドレナリン、これにドーパミンを加えてカテコールアミンもしくはカテコラミンと呼ぶことはお話ししました。
これらの「カテコラミン」は全てチロシンと言うアミノ酸を原料として作られます。
交感神経終末において、チロシンが取り込まれ、神経細胞内で「チロシン」から「DOPA(3,4-ジヒドロオキシフェニルアラニン)」が作れます。
その後、さらにドーパミンが生成され、次にノルアドレナリンの順で生合成されていきます。
そして最終的に交感神経終末から放出され、私たちの神経系に作用していきます。
さて、ではアドレナリンはどうかというと、このように交感神経内でドーパミンを経て合成されたノルアドレナリンが、副腎髄質に到達して「フェニルエタノール-N-メチルトランスフェラーゼ(PNMT)」という酵素によって初めてアドレナリンに合成されます。
フェニルエタノール-N-メチルトランスフェラーゼ(PNMT)は、ノルアドレナリンのアミノ基にメチル基を付加して、アドレナリンを生合成していきます。この時メチル基のドナーとしてS-アデノシルメチオニン(SAM)が必須の補因子となります。SAMについてはとっても大切なので別途お話ししますね。
この酵素は副腎髄質に多いため、副腎髄質でアドレナリンが合成されているとされていますが、心臓や脳幹にも存在すると言われています。
副腎髄質では、アドレナリンが約80%、残りの大部分がノルアドレナリン、そしてわずかにドーパミンが分泌されます。
要は、アドレナリンに合成しなかったノルアドレナリンもここで分泌されるということなんですね。
いやぁ・・・難しい話が続きましたが、こうやってアドレナリンが作れられるとアドレナリンは体内を巡って各臓器に興奮系のシグナルを送ります。
逆にノルアドレナリンは主に交感神経内で作られますが、主に脳内に作用し、私たちの思考や意識を活性化します。
副腎髄質は、交感神経の大きな塊と考えても良いかもしれません。
それもそう、副腎髄質の起源は、交感神経節後神経に相当する神経組織で、解剖学的にも交感神経節と同等の組織であり、多量の交感神経節前線維が侵入する臓器でもあるのです!
ちなみにこのノルアドレナリンからアドレナリンへの変換は、糖質コルチコイド(コルチゾール)によっても促進されます。
ということはストレスがかかると交感神経系とHPA-axisのダブルの経路でアドレナリンの合成・分泌が進められるんですよね〜。
面白いですよね〜。
アドレナリンとノルアドレナリンが合成される過程、そして違いはこのようになっているのです。
ちなみに上図で Epinephrine(エピネフリン)や Norepinephrine(ノルエピネフリン)と書いてありますが、これはアドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)のことです。
一般的には、アドレナリンやノルアドレナリンと呼ぶことが多いですが、医学的には副腎髄質ホルモンとしてエピネフリンやノルエピネフリンと呼ぶんですよね〜。
⭐️ カテコールアミンを分解してくれる酵素と腸の驚きのつながり
さて、そしてもう一つ大事なのが、このカテコールアミンが不必要になった時に不活性化される仕組みです。
そりゃあ、いつまでも興奮しっぱなしじゃ疲れちゃいますよね。
それこそ、怒りっぽくなったり、イライラしたり、うつ病になっちゃいます。
これらのカテコールアミンである、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンは、「モノアミン酸化酵素(MAO)」や「カテコールーOーメチルトランスフェラーゼ(COMT)」によって代謝され、不活性となり、最終代謝産物は尿で排出されます。
よく有機酸検査(尿検査)によってこの代謝物を見ることがあるんですが、これはカテコールアミンの生成バランスを見ているんです。
ちょっと前の記事でもお話ししましたが、これらの酵素はお腹(腸)の状態が悪いと働かないので、実はとても腸内環境と関わっているんです。
腸内環境が悪いとこれらの興奮生ホルモンであるカテコールアミンはうまく代謝されず、残ってしまう。
ということは、お腹が悪いと情緒不安定やイライラ、怒りっぽい、うつ病、不安感などにつながることがなんとなくわかってきますね〜。
大分話が大きくなってきましたが、いかがでしたでしょうか?
最後に・・・
特に副腎から分泌されるスーパーホルモンである「コルチゾール」は、視床下部→下垂体→副腎皮質が連携する(司令だけでなく、フィードバックももらいながら)ことで、その適切な分泌量を見極められながら、細かくコントロールされているのです。
心身的なトラブルは視床下部に影響し、それによってコルチゾールの分泌は大きく影響を受けます。
これこそが、HPA-axisの仕組みなのですが、脳の視床下部にダメージがあると細かい分泌調整のシステムに機能低下が起こり、ホルモンバランスを崩しやすくなります。
視床下部がダメージを受ける原因には、脳の障害や外傷、DVやセクシャル被害、度を超えたストレスなどがあると言われますが、こういった視床下部のダメージは、慢性疲労症候群、線維筋痛症、そして原因不明の病気に深く関連しています。
いやー毎度のことながら、やっぱりストレスって怖いですね。
なんか前回もこの言葉で終わった気がする。笑。
ではまた次回に^^。
Thank you for reading to the end.
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Written by
小菅一憲
Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science
AK Practitioner
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