胃酸分泌低下の兆候
昨今、胃酸が出過ぎているという情報の方が出回っていると思いますが、実は胃酸は食べ物を消化吸収するのにとても重要な働きをしてます。
私たちが食べ物を食べたとき、咀嚼を十分にすると食べ物は細かくなりますが、胃酸はその細かく砕かれたものをさらに細かくして液状にする役目があり、ここで液状になったものは小腸に送られて栄養素が吸収されるというわけです。
今月は、胃酸の分泌低下とそれが様々な問題を起こすことを述べてきました。
しかしみなさんは、自分の胃から出てくる胃酸が多いか少ないかを、あまり気にしたことはないのではないでしょうか。
今回は自分の胃酸分泌の状態を自宅で簡単にチェックする方法をお話したいと思います。
まず日常生活でわかりやすい、胃酸低下の兆候としては・・・
お腹が張る、ガスがたまる
やたらとげっぷが出る
食後にすぐ胸やけがする
胃の中の食べ物が満足に消化されていないように感じる
すぐに満腹感を感じるので、ごく少量しか食べられない
便秘や下痢
など
・・・
があります。
これらの症状に見覚えがある人は、もしかしたら胃酸不足が潜んでいるかもしれません。
また便秘や下痢の症状は、ほとんどない人もいます。なかには胃液をまったく分泌していないのに、消化器系統の異常を示す症状がまったく観察されない人もいます。
その他、爪が弱かったり、割れやすかったり、女性の場合なら髪の毛が抜けやすかったりも胃液不足のサインになります。
また胃液不足の人は、大抵の場合、腹部の上方にガスがたまりやすく、のどや鼻の毛細血管の膨張も胃液の不足と関わっていることが多いとされています。
自宅で簡単!胃酸分泌チェック
では、早速簡単に自宅で簡単に出来る胃酸チェックの方法を紹介していきましょう!
この方法は、実際にアメリカで栄養療法を行うときに家庭でする方法として、広く認知されています。
検査に使う材料は「生のレモン」ひとつと、できれば浄水器を通した安全な水、コップ一杯です。
12歳以上の大人であれば、生のレモンを半分に切って、コップに汁を絞り、水を入れてレモン水をつくります。
だいたい3倍くらいに薄めましょう。
一口食べたら一口飲むというのを繰り返し、レモン水がなくなるまで飲みます。この時、レモン水は一気には飲まない方が良いでしょう。
胃酸とレモンの酸度は近い酸度です。胃の中で分泌される胃酸は、食べ物が入ってくると、もう少し酸度が強くなりますが、このレモン水で十分に補うことができます。
食事をした後、3時間くらいしたら、いつもよりお腹がすくのが早い、もしくは胃がすっきりしたような状態を覚えた方は、だいたい8割の確率で胃酸の分泌が低下もしくは胃酸がアルカリ性に傾いていると思われます。
逆に、いつもより胃が重い、胃がムカムカする、ゲップが出てくるような状態を覚えた方は、ある程度胃酸の分泌があると考えてよいと思います。
もし胃液が不足しているような方は、このレモン水を、毎日は無理でも、夕食時に週に3、4回はつくって飲み、胃酸を補ってあげてください。
せっかく咀嚼を十分にしても、食べたものを最終的に分解してくれる胃酸の状態が思わしくなければ、期待するほどの栄養素の吸収ができていないということなのです。
さて皆さんの胃酸は足りているでしょうか?!
こういった日常の中でも、自分の健康状態、胃液の分泌について確認することができるので、是非みなさんも自分の胃の状態、消化吸収能力がどの程度なのかチェックしてみてください。
日々の生活の中で、自分の体内環境を確認していくのも自分自身の身体を知る上で大切なことです。またそれが大きな病気にならないための予防にもなるといえます。
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