Summary:
⭐️ エピジェネティクス 「メチレーションサポートの大いなる可能性」
⭐️ SAMeを作る「メチオニン回路」
⭐️ ホモシステインをメチオニンに変えるための「葉酸回路」
みなさん、こんにちは。
副腎疲労専門カイロプラクティック
「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。
そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。
エピジェネティクスとは・・・
「DNAの塩基配列が全く一緒であっても、その後の人生のさまざまな因子によって、その遺伝子発現に違いが生じてくる」
ということを言っています。
ではこの遺伝子発現を制御しているのは、なんだったでしょうか?
そう。今までのお話をしっかり読んでいらっしゃる読者の方でしたら、もうお分かりになると思います。
メチル基です。
「メチル基」こそが、DNAのスイッチのオンオフをする・・・いわゆる望まれない遺伝子の発現を抑えてくれる「DNAサイレンシング」そのものなのです。
そして、メチル基は、ウィルスのDNAサイレンシングも出来てしまうというお話をしました
前回のメチレーションに関する記事はこちら↓
簡単に言ってしまうと、私たちの身体の中で「メチル基」さえ、しっかりと作られていれば、さまざまな病気や感染症になりづらく、健康的な人生を過ごせるということでもあるんです。
さらには、「メチル基」が豊富な生活かそうでないかによって、DNAが全く同じの双子でも違う体調になり得るということなんですね。
⭐️ エピジェネティクス「メチレーションサポートの大いなる可能性」
こんなデータがあります。
一卵性双生児で一人が全身性エリテマトーデスを発症しても、もう一人は全く問題なく健康的というケースがあります。さらに詳しく調べていくと、そのエリテマトーデスを発症した一人は、もう片方より、49の異なった遺伝子でDNAメチレーションが低レベルだったと言います。
実は、リウマチ性関節炎や全身性エリテマトーデスを患っている人は、健康な人に比べて一様にDNAメチレーションレベルが低いということがわかっています。
前回もお話したように低いレベルのDNAメチレーションは、自己の細胞を攻撃する免疫応答に関連した遺伝子を抑えられず、その遺伝子の過活動を引き起こしてしまう可能性があります。
通常は、遺伝子の80%が発現されるべきものではないので、メチル基を結合することで遺伝子発現を不活性化しています。しかし、DNAメチレーションのレベルが低い人では、余計な遺伝子を発現させてしまう可能性があるわけです。
2003年、デューク大学では、黄色の毛になり、肥満や糖尿病になってしまう遺伝子を持ったアグーティマウスというネズミを使った研究が行われています。
この研究では、妊娠中のアグーティマウスに、1つのグループでは葉酸やB12などのメチル供与体を豊富に含む食事を与え、もう一つのグループではそういう栄養強化は一切行わないようにしました。
そうすると、遺伝子的に同一な母親でも、メチル基を豊富に含む食事をもらった母親からは、健康的な茶色の肥満傾向のない子供が生まれ、逆に何もしなかった母親からは、肥満傾向の黄色い毛の子供が生まれました。
これは、母親がどのような食事を与えられたかによる違いだけなのですが、まさに、妊娠中の母体においてのメチレーションサポートが、さまざまな疾患発症リスクを軽減してくれる可能性を示しています。
ワクワクしますよね。
メチル基やメチレーションの仕組みをよく知ること。
そして、それをサポートすることで、私たちの人生や子供たちの未来も明るいものになるかもしれないのです。
⭐️ SAMeを作る「メチオニン回路」
では、どうやって「メチル基」を作っていくか。
メチレーションの基本を見ていきましょう。
メチル基を産み出すための一番重要なルートは、メチオニン回路です。
メチオニンは、たんぱく質を分解したアミノ酸の一種ですが、人のカラダの中では合成することが出来ない、必ず食事で摂らなければならない「必須アミノ酸」の一つでもあります。
メチル基を産生するために一番大事な「メチオニン」を食事から摂れているか、そして食事で十分なたんぱく質食材を食べていたとしても、栄養吸収を行う胃腸の状態がどうであるかもとても重要です(栄養吸収の状態によってはアミノ酸をしっかり吸収出来てない場合もある)。
メチオニンは「メチル基」と「硫黄基」の2つを持っています。
「メチル基」はもちろん、メチレーションのために重要で、アデノシル基と共にメチオニンを「SAMe(Sアデノシルメチオニン)」に変化させます。ちなみに硫黄基はその後の硫黄転移経路における解毒に重要になります。
さて、こうやって作られた「 SAMe」がいろんな物質にメチル基を提供するための一番主要なメチル供与体になります。
要は、この「SAMe」が適切な量作れているかどうかが、非常に重要になるのです。
その後、SAMeは、自身のメチル基を他の物質に提供し、SAH(Sアデノシルホモシステイン)になります。そしてさらにSAHは、自身のアデノシル基を他の分子に提供することで「ホモシステイン」が出来上がります。
この「ホモシステイン」は、血中に多くなってしまうと心臓病や動脈硬化などの血管性の病気のリスクが上がるとされている物質です。
そういうこともあって、「ホモシステイン」は、再度「メチル基」を取得することで「メチオニン」にリサイクルされます。
メチオニンへのリサイクルには、2つのルートがあります。
一つはBHMTや亜鉛を使ったショートカットルートです。そしてもう一つは、葉酸回路と交わってそこでメチル基を取得するロングルートと呼ばれています。
画像:ネットより
⭐️ ホモシステインをメチオニンに変えるための「葉酸回路」
葉酸回路の方も、簡単にご説明しましょう。
葉酸回路は、前述のように「ホモシステイン」をメチオニンへリサイクルする時に必要とされる「メチル基」を提供する、メチレーションの中でも最重要回路です。
まさにメチル基を作り出す源と言っても良いでしょう。
メチオニン回路が時計回りに動きますが、葉酸回路は反時計回りに動くことが出来ます。
葉酸回路では、THF(テトラヒドロ葉酸)がまず5,10-methylene-THF(5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸)になります。その後有名な「MTHFR(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)」によって、5-methyl-THF(5-メチルテトラヒドロ葉酸)になります。
さらにこの5-methyl-THFは、HydroxyB12(ハイドロキシB12)にメチル基を手渡し、MethylB12を作ります。そしてそして・・・
このMethylB12が、メチル基をホモシステインに手渡して、MTR酵素によって、めでたくホモシステインがメチオニンに変換されます。
これこそが、メチレーションでも核となるメチル基の作られ方です。
重要なところなので、是非しっかり覚えておいてくださいね^^。
今日はここまでにしましょう。
次回もお楽しみに!
Thank you for reading to the end.
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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Written by
小菅一憲
Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science
AK Practitioner
国際基準のカイロプラクター
アプライドキネシオロジスト
健康栄養指導士
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