Summary:
⭐️ 葉酸回路とは?
⭐️ 葉酸には2種類ある!?
⭐️ MTHFRの遺伝子変異
⭐️ MTHFRのもう一つの働きとは?
みなさん、こんにちは。
副腎疲労専門カイロプラクティック
「CHIROPRATICA」院長の小菅一憲です。
そしてこのBlogの筆者「Kossy (コッシー)」です。
前回は、メチレーションに関わる酵素の遺伝子とその遺伝子変異によって起こる「アップレギュレーション」と「ダウンレギュレーション」についてお話しました。
前回のblog↓
今日からは一つ一つの酵素についてもお話を進めていきたいと思います。
さて、まず初めにお話するのは、なんといっても一番有名な酵素「MTHFR」についてです。
⭐️ 葉酸回路とは?
上の写真のメチレーション回路の図にもあるように、葉酸回路とは、3つの円があるうちの真ん中の回路。
ちなみに左隣の回路は「BH4回路」、右隣の回路は「メチオニン回路」と言います。
この葉酸回路は、一番上の「THF:Tetrahydrofolate(テトラヒドロ葉酸)」が「5,10 Methylen THF:5,10-Methylentetrahydrofolate(5,10メチレンテトラヒドロ葉酸」へ、さらに「5 Methyl THF:5-Methyltetrahydrofolate(5メチルテトラヒドロ葉酸)に変換される回路です。
そして、最終的に5MTHFは、THFヘ再変換されます。
さて、では今回のお話の中心「MTHFR:methylene tetrahydrofolate reductase(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)」は、どこに関わっているのでしょうか?
答えは、葉酸回路内の「5 Methyl THF」の産生に関わっています。
5,10 Methylene THFは「MTHFR」酵素の力を借りて、「5 Methyl THF(5メチルテトラヒドロ葉酸)」んいなるのです。
詳しくお話すると、私たちは食事や健康食品・サプリメントなどから葉酸(folate またはfolic acid)を摂取したとします。その後、葉酸はビタミンB3の元で「DHF:dihydrofolate(ジヒドロ葉酸)」に変換されます。そしてさらにビタミンB3の力を借りて、THFまで変換されます。
THFは、ビタミンB6・P5P(活性型ビタミンB6)、セリンの力を借りて、5,10 methylen THFにまで変換されます。
最後に5,10 methylen THFが「MTHFR」によって「5 Methyl THF」になるわけです!
⭐️ 葉酸には2種類ある!?
さて、先ほど食事やサプリメントから葉酸を摂取するという話の中で、(folate またはfolic acid)と書きましたが、実は葉酸には2種類の葉酸が存在します。
一つは、folate(葉酸塩)。folateは、緑のお野菜や卵、豆などの天然の食べ物に含まれる天然の葉酸です。そしてもう一つは、folic Acid(葉酸)。こちらは、サプリメントや健康食品に入っている合成の葉酸のこと。小麦やコーンフレークなどに添加されていることもあります。
天然葉酸である「folate」は、体内に取り込み血流に入る前に、活性型の「5 Methyl THF(5メチルテトラヒドロ葉酸)」に変わります(体内では、この5 Methyl THFにならないと利用されません)。
しかし、合成葉酸であるfolic acidは、それ単体で活性型の5-メチルテトラヒドロ葉酸に変わるのには大変時間がかかります。そのため、代謝されない葉酸として血流に残ってしまうことがあり、健康を害するリスクが高まると言われています。
ある研究では、folic acidが、乳がんや大腸がんのリスクを高めたという報告もありますし、妊娠中の女性がfolic Acidを摂取することで、胎児の気管支の成長を妨げ、先天性の喘息を発症させるとする報告もあります。
これでは、先天性異常のために葉酸を摂取しても、元も子もありません。
元々、folic acidは、サプリメントや健康食品に使用されている化学物質です。そのままでは私達の体が活用できないため、一旦、肝臓によってメチル化される必要があります。
しかし、遺伝子によってはfolic acid のメチル化がとても苦手な人がいるのです。
そのため、実はサプリメントを飲んでいても、5 Methyl THFが作れず、葉酸欠乏に陥る可能性があるのです。
ちなみに日本ではサプリメントの全てがfolic acidですので、ご注意を。
海外ではちゃんとfolateや5 Methyl folateのようなサプリメントが売っています。
もう理解が早い方はわかりますよね。
この遺伝子によってというのが、「MTHFR」の遺伝子変異です。
⭐️ MTHFRの遺伝子変異
MTHFRの遺伝子変異が起こると、ダウンレギュレーションが起こります。
要は、MTHFRの機能が低下してしまうのです。
その割合は遺伝子変異によって変わってきますが、通常の人よりも5 Methyl THFが3分の2しか作れない、もしくは3分の1しか作れないなどが出てきます。
では、なぜ「MTHFR」が遺伝子変異を起こして、5 Methyl THFが作れないとまずいのか!?
これはさらに先をお話していく必要がありますが、メチレーション回路で、葉酸回路の右横に「メチオニン回路」があると思います。ここではメチオニンからSAMe(Sアデノシルメチオニン)を作り、このSAMeがメチレーションの中心的物質なのですが、SAMeが使われると最終的にホモシステインという物質が作られれます。
このホモシステインは、有害な物質なのでいくつかの経路で代謝されていきますが、その中でも重要とされるのが葉酸とB12を使ってメチオニンにリサイクルする経路です。
ここでは、5 Methyl THFがB12にメチル基を手渡しB12がMethyl B12になります。そしてこのMethl B12を使ってMTRやMTRRの酵素の元で、ホモシステインがメチオニンに変換されるわけなんですね。
遺伝的に5 Methyl THFを作るのが苦手な方は、ホモシステインが溜まりやすいわけです。
血液中で5 Methyl THFが欠乏したり、ホモシステインの濃度が高いと、心臓血管性の疾患(CVD)や加齢による認知機能障害のリスクが上がるとされて病院でもチェックされる項目であるぐらいなので、ホモシステインはあまり溜まってほしくない物質なわけですね^^。
⭐️ MTHFRのもう一つの働きとは?
さて、MTHFRの一番有名な働きが今お話してきた5 Methyl THFを産生するという働きですが、実はMTHFRにはもう一つ大事な働きがあります。
これは、葉酸回路の左側「ビオプテリン回路」において、BH2とBH4の変換に関わっているということ。
これ、とても重要なところなので、また次回お話しますが、MTHFRでもC677Tと3が葉酸回路の5 Methyl THF産生に関わっていて、A1298Cがビオプテリン回路に関わっているということを覚えておいてくださいね。
ではでは。
今日はここまでにしておきましょう!
また次回に^^。
Thank you for reading to the end.
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Written by
小菅一憲
Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science
AK Practitioner
国際基準のカイロプラクター
アプライドキネシオロジスト
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